【薬局薬剤師の記録的巻物】

EBMの実践のため、論文を読み、記録していきます。

1年以上のDAPT継続で死亡リスクは上がるのか?

前回に引き続き、見付けてしまったので今回もDAPTに関する論文を。

 
「Mortality in patients treated with extended duration dual antiplatelet therapy after drug-eluting stent implantation: a pairwise and Bayesian network meta-analysis of randomised trials.」
PMID: 25777667
 
 

・研究デザイン : ベイジアンネットワークメタ解析

PECO

P : 薬剤溶出ステント留置後の患者(31666人)
E : 6ヶ月以下又は1年間のDAPTによる治療(15765人、平均64.9歳)
C : 1年以上のDAPTによる治療(15901人、平均65.5歳)
O : 総死亡
 

チェック項目

・真のアウトカムか? : 真のアウトカム
・一次アウトカムは明確か? : 明確
・評価者バイアス : 「Two investigators (TP and DDR) independently reviewed the titles, abstracts, and studies 」の記載あり
・出版バイアス : funnel plotにより検討されており、「we noted no apparent systematic bias as assessed by funnel plots (appendix) and Egger’s test.」の記載あり。
・元論文バイアス : 全てランダム化比較試験で、「Internal validity of randomised controlled trials was assessed as previously described.」の記載あり
・異質性バイアス : 異質性検定が行われており、「no significant heterogeneity apparent across trials. 」の記載あり
 

結果

E群(1.5%) vs C群(1.8%)→ハザード比0.82(95%信頼区間0.69–0.98)P=0.02、NNT=325、異質性 :  I2=0%・P=0.93
 
また、期間毎の比較もされている。
・6ヶ月以下 vs 1年以上→ハザード比0.91(95%信頼区間0.61–1.37)
・6ヶ月以下 vs 1年間→ハザード比0.87(95%信頼区間0.64–1.19)
・1年間 vs 1年以上→ハザード比0.76(95%信頼区間0.60–0.97)
 

感想

前回の論文と同じように1年以上のDAPTは1年以下よりも有意に死亡リスクを上昇させている。
ただし、主要評価項目ではないがステント血栓症・心筋梗塞についてはこちらも前回の論文とお有意にリスクを低下させている。
 
やはり1年以上漫然とDAPTが継続されている場合は注意が必要ですね。