【薬局薬剤師の記録的巻物】

EBMの実践のため、論文を読み、記録していきます。

メトホルミンに追加するなら、ピオグリタゾンとSU薬のどちらが良いですか?

【私的背景】

今回は時間がないので、アブストラクトしか読めないけど気になった論文を一報だけ。

 

「Effects on the incidence of cardiovascular events of the addition of pioglitazone versus sulfonylureas in patients with type 2 diabetes inadequately controlled with metformin (TOSCA.IT): a randomised, multicentre trial」

Published: 13 September 2017

DOI: http://dx.doi.org/10.1016/S2213-8587(17)30317-0

 

PECO

: メトホルミン(2~3g/日)単独で治療が行われている、50~75歳の2型糖尿病患者(イタリア、3028例)

: ピオグリタゾン(15~45mg)を追加(1535例)

: SU薬(グリベンクラミド 5~15mg、グリメピリド 2~6mg、グリクラジド 30~120mg)を追加(1493例)

: 総死亡・非致死的心筋梗塞・非致死的脳卒中・冠動脈再建術の複合アウトカム

 

チェック項目

・研究デザイン : ランダム化比較試験

・真のアウトカムか? : 真のアウトカム

・一次アウトカムは明確か? : 明確

・ランダム化されているか? : ブロックランダム化が行われている

・盲検化されているか? : PROBE法が行われている

・ITT解析されているか? : mITT解析が行われている

・追跡期間中央値 : 57.3ヶ月(早期中止)

 

結果

ピオグリタゾン群(1.5/100人年) vs SU薬群(1.5/100人年)→ハザード比 0.96(95%信頼区間 0.74~1.26)P=0.79

 

低血糖

ピオグリタゾン群(10%) vs SU薬群(34%)→P<0.0001

※両群で中等度の体重増加が見られた(2kg未満)

心不全、膀胱がん、骨折については有意な差が見られなかった

 

感想

正直なところ、どっちもどっちかという印象です。

ピオグリタゾン群で有意に低血糖のリスクは低いことが示唆されておりますが、それが選択する根拠になるかと言えば微妙...

現時点では、メトホルミンに追加するならまずはDPP-4阻害薬が妥当なところかなと考えております。

SGLT-2阻害薬も今後選択肢には入ってくるかとは思いますが。

 

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