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【薬局薬剤師の記録的巻物】

EBMの実践のため、論文を読み、記録していきます。

短期間のクロピドグレルとアスピリンの併用は有効ですか?

抗血小板薬

しつこいようですが、前々回のメタ解析からの続きを。

 

 
「Clopidogrel with aspirin in acute minor stroke or transient ischemic attack.」
PMID: 23803136 
 

PECO

P : 軽症の脳梗塞または一過性虚血性発作と診断されてから24時間以内の患者。(中国、5170人)
E : クロピドグレルを初回は300mgを投与し、その後90日目まで75mg/日を投与。また、アスピリン75mg/日を21日目まで併用。(2584人)
C : プラセボ及びアスピリン75mg/日を90日目まで投与。(2584人)
O : 有効性→90日以内の脳卒中の発症、安全性→中等度~重度の出血
 

チェック項目

・研究デザイン : ランダム化比較試験
・真のアウトカムか? : 真のアウトカム
・一次アウトカムは明確か? : 明確
・ランダム化が行われているか? : 層別ランダム化が行われている
・盲検化が行われているか? : 二重盲検が行われている
・ITT解析が行われているか? : 行われている
・追跡率 : 94%
・サンプルサイズ : 5100人(パワー90%)
・患者背景 : 特に気になるような偏りは見られない、年齢中央値62歳・女性33.8%
 

結果

[90日以内の脳卒中の発症]
E群(8.2%) vs C群(11.7%)→ハザード比0.68(95%信頼区間0.57~0.81)P<0.001、NNT=29
 
[重度の出血]
E群(0.2%) vs C群(0.2%)→ハザード比0.94(95%信頼区間0.24~3.79)P=0.94
 
[中等度の出血]
E群(0.2%) vs C群(0.1%)→ハザード比0.73(95%信頼区間0.16~3.26)P=0.68
 
※二次アウトカム
[総死亡]
E群(0.4%) vs C群(0.4%)→ハザード比0.97(95%信頼区間0.40~2.33)P=0.94
 

感想

軽症の脳梗塞またはTIAを発症してから24時間以内に抗血小板薬の併用を行うことで90日以内の脳卒中リスクを減少させ、また、出血リスクについては増加させないことが示唆されておりますが、前回のランダム化比較試験と見比べてみると追跡期間が短い点と、実際に併用を行っていたのは21日間という短期間である点に違いがあり、脳卒中が発症する頻度が高いとされる脳梗塞・TIAが発症してからの数週間はベネフィットが得られるものの、長期間に対する効果はあまり明確ではないように思います。
 
二次予防としてクロピドグレル・アスピリンの併用をいつまで行うべきか、なかなか悩ましいところですがまた別の論文を後日読んでみたいと思います。