【薬局薬剤師の記録的巻物】

EBMの実践のため、論文を読み、記録していきます。

血圧に対する薬剤師の介入の可能性?

今回は尊敬している先生から紹介していただいた論文を読んでみようと思います。

ちなみに、腹いせにその先生のブログのリンクを貼っておきますね。
「薬剤師4コマ劇場R2」http://pharmacymanga.blog.fc2.com/
 
では論文を。
 
「A Randomized Trial of the Effect of Pharmacist Prescribing on Improving Blood Pressure in the Community: The Alberta Clinical Trial in Optimizing Hypertension (RxACTION).」
PMID: 26063762
 
P : カナダ・アルバータ州の23地域においてカナダのガイドラインでの目標値よりも血圧が高い患者(248人、平均年齢64歳・男性49%・平均血圧150/84mmHg)
E : 薬剤師による血圧及び心血管リスクの評価・高血圧症に対する教育・降圧薬の処方・施設でのモニタリング・6ヶ月間毎月の訪問を行う
C : 高血圧症についての情報が記載された血圧を記録するカードの配布と、医師及び薬剤師による通常の治療を行う
O : 6ヶ月後の収縮期血圧の変化
 
・研究デザイン : ランダム化比較試験
 
抄録のみしか読めないためいきなり結果ですが、収縮期血圧の減少平均はE群で18.3mmHg、C群では11.8mmHgであり、調整後の差は6.6mmHg(P=0.0006)
目標血圧を達成した患者の調整オッズ比は2.32(95%信頼区間1.17~4.15)
 
 
ということで、薬剤師による幅広い介入で有意に血圧を下げることができるということが示唆されています。
しかし、検討されているのは代用のアウトカムであり臨床転帰等にどういった影響を与えるかはこの結果からはわかりません。
 
まあただ、薬剤師の処方については日本では将来的にも想像しづらいのと、血圧減少の差が6.6mmHgであることをどう考えるのかという事もありますが、もしかしたら薬剤師の職能についての可能性が広がる結果であるのかもしれません。いずれにしろ、検査値や薬物治療についてしっかりと評価ができる能力が必要ではないかとは思いますが。