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【薬局薬剤師の記録的巻物】

EBMの実践のため、論文を読み、記録していきます。

COPD患者がフルチカゾンフランカルボン酸+ビランテロールを使う事で急性増悪を防げますか?

 

「Effectiveness of Fluticasone Furoate–Vilanterol for COPD in Clinical Practice」

September 4, 2016DOI: 10.1056/NEJMoa1608033

http://www.nejm.org/doi/abs/10.1056/NEJMoa1608033

 

PECO

: 一般開業医からCOPDと診断され、過去3年以内に1回以上の増悪があった40歳以上の患者(2802人)

: フルチカゾンフランカルボン酸100μg/日+ビランテロール25μ/日(1399人)

※ランダム割付される以前に2種類の気管支拡張薬とICSを併用していた場合はLAMAの追加も可能

: 通常ケア(1403人)

: 中等度~重度の憎悪(抗菌薬または全身性ステロイドによる治療、入院、予定外の受診などが必要だった呼吸器症状の悪化)

※primary effectiveness analysis(PEA)として過去1年以内に増悪のあった2269人のみ解析されている

 

チェック項目

・研究デザイン : ランダム化比較試験

・真のアウトカムか? : 真のアウトカム

・一次アウトカムは明確か? : 明確

・ランダム化が行われているか? : 層別ランダム化が行われている

・盲検化が行われているか? : オープンラベル

・ITT解析が行われているか? : 行われている

・追跡率 : 全体92.8%/PEA92.9%

・追跡期間 : 12ヶ月

・サンプルサイズ : 2238例(パワー80%)

・患者背景 : 同等、年齢67±10歳・女性49%・BMI28±6

 

結果

・PEA : E群(1.74%/年) vs C群(1.90%/年)→C群と比較してE群では中等度~重度の増悪が8.4%(95%信頼区間1.1~15.2)低いことが示された(P=0.02)、NNT=625人/年

・全体(サブグループ) : E群(1.50%/年) vs C群(1.64%/年)→E群では8.4%(95%信頼区間1.4~14.9)低いことが示された(P=0.02)、NNT=715人/年

 

※二次アウトカム

プライマリケア受診・二次医療受診に有意な差は見られなかった

※重篤な肺炎やその他有害事象について差は見られなかった

 

感想

オープンラベル(PROBE?)でソフトエンドポイントが評価されている点が若干気になりますがCOPD増悪について有意差が見られています。

ただ、フルチカゾンフランカルボン酸+ビランテロールが特別優れているというわけではなくこれまでの薬剤と差がなく使えそうだなという印象です。

 

ちなみにこれまでに、プラセボとの比較では心血管リスクの高いCOPD患者に対して総死亡や心血管イベントを増加させないとする報告もあります。(http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/27203508 PMID:27203508)

 

 

デバイスの使いやすさ等を考慮して選択するという事で良いのかなと思いますが、日本ではこの薬はCOPDに適応ないんでしたね...