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【薬局薬剤師の記録的巻物】

EBMの実践のため、論文を読み、記録していきます。

チオトロピウムのレスピマットで死亡リスクが増加する?

大晦日ですね。

 
私は数年前に某二次媒体で「スピリーバレスピマットで死亡リスクが増加」というような記事を読んだ時に「へえー」と思ったきりにしてしまったことを非常に後悔しておりまして、今年の締めくくりとして、恐らくその記事の元になったと思われる論文をPubmedで検索して読んでみたいと思います。
 
 
「Mortality associated with tiotropium mistinhaler in patients with chronic obstructive pulmonary disease:systematic  review and meta-analysis of randomised controlled trials」
PMID: 21672999
 
 
・研究デザイン : RCTのシステマティックレビュー・メタ分析
 

PECO

P : COPDに罹患している患者
E : チオトロピウムのレスピマット5μg/day又は10μg/dayの吸入を30日以上継続
C : プラセボ
O : 総死亡
 

チェック項目

・真のアウトカムか? : 真のアウトカム
・アウトカムは明確か? : 明確
・評価者バイアス : 「Two reviewers independently scanned all titles and abstracts」の記載あり
・出版バイアス : 「we contacted authors for clarification on specific aspects of the data」の記載あり
・元論文バイアス : 「Trial quality was satisfactory and all five trials were judged to be at low risk of bias(adequate sequence generation or allocation concealment,double blinding,and clear reporting of loss to follow-up)」の記載あり。また、未発表のものは含まれていない
・異質性バイアス : 異質性検定が行われており、有意差なし
 

結果

総死亡は12ヶ月の使用で、チオトロピウムレスピマット群90人/3686人・プラセボ群47人/2837人、リスク比1.53(95%信頼区間1.06-2.16)、NNH=129人。

 

用量別では、

・5μg/day群→69人/2839人、リスク比1.46(95%信頼区間1.01-2.10)、NNH=130人

・10μg/day群→21人/847人、リスク比2.15(95%信頼区間1.03-4.51)、NNH=72人

 

感想

と、ここまで読んだところでそう言えば読んだ記事は「レスピマットはハンディヘラーと比較して死亡リスクを増加させる」だったような気がするのですが、この研究ではチオトロピウムのレスピマットは有意に死亡リスクを増加させるという結果が出ていますが死亡リスクの増加がチオトロピウムによるものなのかデバイスの違いによるものなのかはわからないので元になった論文はまた違うものかもしれません…。
まあでもチオトロピウムのレスピマットを12ヶ月間使用すると死亡リスクが1.53倍増加するというのは衝撃的な結果ですね。
 
ということで、レスピマット・ハンディヘラーと死亡についてはまた来年調べてみたいとおもいます。