高血圧患者では心血管疾患のリスクはどれくらいあるか?
前回は2型糖尿病患者でしたが、今回は同じような内容で高血圧患者の心血管疾患リスクについて。
PECO
チェック項目
結果
収縮期血圧の上昇による全心血管疾患のハザード比は1.26(95%信頼区間1.25-1.28)、拡張期血圧ではハザード比1.23(95%信頼区間1.21-1.24)。
疾患を個別にみても全てリスクを有意に増加させている。
収縮期血圧が10mmHg上がる毎のリスクの増加は
・安定狭心症→ハザード比1.19(95%信頼区間1.18-1.20)
・不安定狭心症→ハザード比1.13(95%信頼区間1.11-1.15)
・心筋梗塞→ハザード比1.15(95%信頼区間1.14-1.16)
・冠動脈死→ハザード比1.12(95%信頼区間1.10-1.15)
・心不全→ハザード比1.12(95%信頼区間1.11-1.14)
・不整脈又は突然の心臓死→ハザード比1.10(95%信頼区間1.07-1.12)
・虚血性発作→ハザード比1.07(95%信頼区間1.06-1.08)
・虚血性脳卒中→ハザード比1.16(95%信頼区間1.14-1.18)
・くも膜下出血→ハザード比1.18(95%信頼区間1.13-1.23)
・脳内出血→ハザード比1.20(95%信頼区間1.07-1.23)
・末梢動脈疾患→ハザード比1.16(95%信頼区間1.15-1.18)
・腹部大動脈瘤→ハザード比1.02(95%信頼区間1.00-1.05)
年齢毎の生涯の心血管疾患リスクは
・30歳 : 高血圧群63.3% vs 正常血圧群46.1%→リスク比1.37(95%信頼区間1.36-1.39)、NNH=6人
・60歳 : 高血圧群60.2% vs 正常血圧群44.6%→リスク比1.35(95%信頼区間1.33-1.37)、NNH=7人
・80歳 : 高血圧群51.7% vs 正常血圧群37.3%→リスク比1.39(95%信頼区間1.36-1.41)、NNH=7人