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【薬局薬剤師の記録的巻物】

EBMの実践のため、論文を読み、記録していきます。

アログリプチン vs プラセボ??

前々回はシタグリプチンの非劣性試験を読みましたが、

今回は時間を遡って、ちゃんと読んだことのなかったアログリプチンの非劣性試験を。

「Alogliptin after Acute Coronary Syndrome in Patients with Type 2 Diabetes」
PMID: 23992602

PECO

P : 過去15~90日以内に急性冠症候群を発症した、血糖降下薬が投与されているHbA1cが6.5~11.0%(インスリンが投与されている場合は7.0~11.0%)の2型糖尿病患者(5380人、49ヶ国)
E : アログリプチン(eGFR≧60mL/分/1.73m3の場合は25mg/日、30~60mL/分/1.73m3の場合は12.5mg/日、<30mLの場合は6.25mg/日)(2701人)
C : プラセボ(2679人)
O : 心血管死・非致死性心筋梗塞・非致死性脳卒中の複合エンドポイント

※除外基準→1型糖尿病・不安定な心疾患・14日以内の透析

チェック項目

・研究デザイン : 非劣性試験
・真のアウトカムか? : 真のアウトカム
・一次アウトカムは明確か? : 複合エンドポイントのため注意
・ランダム化が行われているか? : 行われている
・盲検化が行われているか? : 行われている
・ITT解析又はPP解析が行われているか?  : 行われていない
・追跡率 : 99.5%
・追跡期間中央値 : 18ヶ月
・患者背景 : 特に気になるような偏りは見られない
・サンプルサイズ : 5400人(検出力91%)

結果

非劣性マージンはハザード比1.3

アログリプチン群(11.3%) vs プラセボ群(11.8%)→ハザード比0.96(95%信頼区間≦1.16)P=0.32

複合エンドポイントのそれぞれの要素は有意な差が見られず、総死亡についても[ハザード比0.88(95%信頼区間(0.71~1.09)P=0.23]と有意な差は見られない。

感想

プラセボとの比較で非劣性が示された事に対するツッコミはもう良いとして、追跡期間は短めですが死亡や大血管障害に対する効果について疑問を持たざるを得ない結果であると感じます。


ちなみにこちらの研究は事後解析も行われていました。
「Heart failure and mortality outcomes in patients with type 2 diabetes taking alogliptin versus placebo in EXAMINE: a multicentre, randomised, double-blind trial」
PMID: 25765696

心血管死又は心不全による入院について検討されており、結果は[ハザード比1.00(95%信頼区間0.82~1.21)]と有意な差は見られていません。

残るはあと一つか。