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【薬局薬剤師の記録的巻物】

EBMの実践のため、論文を読み、記録していきます。

多剤併用は抗凝固薬の出血リスクを増加させますか?

心房細動・抗凝固薬

 

「Polypharmacy and the Efficacy and Safety of Rivaroxaban Versus Warfarin in the Prevention of Stroke in Patients With Nonvalvular Atrial Fibrillation.」

PMID:26673560

http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/26673560

 

[PECO]

: ROCKET AF試験に参加した脳卒中に対する中等度~重度のリスクを有しリバーロキサバンまたはワルファリンを服用している非弁膜症性心房細動患者(14264人)

E・C : 併用薬が0~4剤・5~9剤・10剤以上で比較

: 有効性→脳卒中または非中枢神経塞栓症、安全性→臨床上問題のある大出血または非大出血

 

ROCKET AF試験のサブ解析です。

ROCKET AF試験について詳しくはこちらに。


COX比例ハザードモデルで解析され

共変量については、

有効性→年齢・性別・BMI・地域・糖尿病・脳卒中/TIAの既往・血管疾患・うっ血性心不全・高血圧・COPD・発作性心房細動・拡張期血圧・クレアチニンクリアランス・心拍数・飲酒

安全性→年齢・性別・地域・脳卒中/TIAの既往・貧血・消化管出血の既往・COPD・拡張期血圧・クレアチニンクリアランス・血小板・アルブミン・アスピリン・VK拮抗薬またはチエノピリジン系薬

が組み込まれています。

  

[結果]

 ベースライン時では0~4剤が36%、5~9剤が51%、10剤以上が13%

ACE阻害薬/ARB・β遮断薬・ジギタリス・利尿薬が比較的多く併用されていた

 

〇有効性

・5~9剤 vs 0~4剤→ハザード比1.07(95%信頼区間0.89–1.29)

・10剤以上 vs 5~9剤→ハザード比0.96(95%信頼区間0.57–1.62)

・10剤以上 vs 0~4剤→ハザード比1.02(95%信頼区間0.76–1.38)

 

〇安全性

5~9剤 vs 0~4剤→ハザード比1.16(95%信頼区間1.07–1.27)

・10剤以上 vs 5~9剤→ハザード比1.26(95%信頼区間0.99–1.61)

・10剤以上 vs 0~4剤→ハザード比1.47(95%信頼区間1.31–1.65)

 

※二次アウトカム

〇総死亡

・5~9剤 vs 0~4剤→ハザード比1.25(95%信頼区間1.09–1.44)

・10剤以上 vs 5~9剤→ハザード比1.15(95%信頼区間0.77–1.70)

・10剤以上 vs 0~4剤→ハザード比1.44(95%信頼区間1.18–1.74)

 

[感想]

やはりあくまでもランダム化比較試験のサブ解析である点は念頭に置いた上で、リバーロキサバンまたはワルファリンを服用中の心房細動患者では多剤併用は脳卒中・末梢血栓塞栓リスクに対する影響は見られないものの、出血リスクの増加が示唆されており、多くの薬が処方されている患者ほど亡くなるリスクも高いと考えられるため注意が必要ですが二次アウトカムでは死亡リスクの増加も示唆されています。

ARISTOTLE試験のpost hoc解析とやや似たような結果ですね。

Figure 4.を見てみるとワルファリンと比較してリバーロキサバンが特別優れているとは言えないように見えるので、薬物相互作用の多いワルファリンと同様にやはりNOACでも多剤併用には十分に注意すべきであると考えるのが妥当ではないかなと思います。

 

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