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【薬局薬剤師の記録的巻物】

EBMの実践のため、論文を読み、記録していきます。

HDLコレステロール値を上げると死亡リスクを減らせるか?

「Effect on cardiovascular risk of high density lipoprotein targeted drug treatments niacin, fibrates, and CETP inhibitors: meta-analysis of randomised controlled trials including 117 411 patients」

PMID: 25038074
 
 
・研究デザイン : メタ分析
 

PECO

P : 117411人の患者
E : ナイアシン・フィブラート・CETP阻害剤のHDLコレステロール値を上げる薬剤を投与
C : プラセボ又はスタチン・エゼミチブ(殆どがプラセボ)
O : 総死亡
 

チェック項目

・真のアウトカムか? : 真のアウトカム
・一次アウトカムは明確か? : 明確
・評価者バイアス :「Three authors(DK,CP,MJS-S) extracted data and assessed the quality  of the trials independently in triplicate using a standardised approach」の記載あり。
・出版バイアス : Funnel Plotを使用して検討されており、「The  funnel plots did not suggest publication bias」の記載あり。
・元論文バイアス : RCTのメタ分析で、ITT解析されている。
・異質性バイアス : 異質性検定が行われており、全て有意差なし。
・追跡期間 : ナイアシンでの試験6~60ヶ月、フィブラートでの試験12~85ヶ月、CETP阻害剤での試験8~31ヶ月
・患者背景 : 特に記載なし。
 

結果

・ナイアシン群→オッズ比1.03(95%信頼区間0.92-1.15、P=0.59)
・フィブラート群→オッズ比0.98(95%信頼区間0.89-1.08、P=0.66)
・CETP阻害剤→オッズ比1.16(95%信頼区間0.93-1.44、P=0.19)
 

感想

総死亡については全ての群で有意な差はなく、副次評価項目ではフィブラート群で非致死的な心筋梗塞を有意に減少させているが、その他心血管死・脳卒中・冠血管死等に有意な差はなく、少なくとも死亡リスクの減少は認められない。
 
 
ちなみにHDLコレステロールに関して、濃度ではなくHDLがマクロファージからコレステロールを引き抜く能力が低いと心血管イベントの危険因子になることが示されたとするコホート研究もあるようです。
 
コレステロールの逆輸送が出来ないdysfunctional HDLってやつのことかな?