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【薬局薬剤師の記録的巻物】

EBMの実践のため、論文を読み、記録していきます。

誤嚥性肺炎の予防に降圧薬が有効?

今回は高齢者の血圧の続きを書こうと思っていたのですが、訳あって誤嚥性肺炎の予防に関連した論文を読んでみたいと思います。
以前ACE阻害薬が肺炎リスクを低下させる事が示唆されている論文を目にしたことがあるのですが(http://www.thelancet.com/journals/lancet/article/PIIS0140-6736(05)60114-6/fulltext)、今回は降圧薬と肺炎による入院について検討されている論文を。

「Risk of hospitalization for community acquired pneumonia with renin-angiotensin blockade in elderly patients: a population-based study.」
PMID: 25353172

PECO

P : 65歳以上で降圧薬が処方されている患者(254485人、カナダ)
E : ACE阻害薬(86775人)・ARB(33953人)・サイアザイド系利尿薬(64186人)・β遮断薬(35331人)
C : Ca拮抗薬(34240人)
O : 降圧薬が処方されてから90日以内の肺炎による入院

チェック項目

・研究デザイン : 後ろ向きコホート研究
・真のアウトカムか? : 真のアウトカム
・調整された交絡因子は? : 年齢・性別・処方歴・Charlson Comorbidity Index Score(予後予測式)・慢性肝疾患・肺炎・慢性肺疾患・脳卒中・糖尿病・認知症
・対象集団の代表性は? : カナダで最も人口の多いオンタリオ州での一般診療研究データベースが用いられており、極端な問題はないものと思われる。

結果

Ca拮抗薬(0.26%)を対照として

・ACE阻害薬(0.15%)→調整後オッズ比0.61(95%信頼区間0.46~0.81)
・ARB(0.13%)→調整後オッズ比0.52(95%信頼区間0.36~0.76)
・サイアザイド系利尿薬(0.21%)→調整後オッズ比(95%信頼区間0.66~1.14)
・β遮断薬(0.32%)→調整後オッズ比(95%信頼区間0.91~1.60)

感想

Ca拮抗薬との比較ですが、ACE阻害薬・ARBで肺炎による入院リスクの有意な低下がみられ、サイアザイドでは有意な差は見られない、β遮断薬では有意な差は見られないものの増加する傾向にある事が示唆されています。
しっかり読み込んではいませんが、ACE阻害薬・ARBと肺炎リスクについて検討されているメタ解析(PMID:22786934  http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/22786934)でも同じような結果が示唆されているようです。こちらはまた後ほどしっかり読んでみたいと思います。

誤嚥性肺炎の予防にはまずは口腔ケアが第一かと思いますが、例えば他の降圧薬を服用している方で誤嚥性肺炎を繰り返しているような場合は可能であればACE阻害薬・ARBに変更するという選択肢を考えてみても良いのかもしれませんね。