【薬局薬剤師の記録的巻物】

EBMの実践のため、論文を読み、記録していきます。

メタルは地球を救いますか?

さて今回は箸休め、と言っても最近更新が滞りがちですが非薬物療法に関する論文を取り上げてみたいと思います。

 

「The memory remains: How heavy metal fans buffer against the fear of death.」

Kneer, Julia; Rieger, Diana
Psychology of Popular Media Culture, Vol 5(3), Jul 2016, 258-272.

http://psycnet.apa.org/journals/ppm/5/3/258/

 

非常に残念ながら抄録しか読めませんが、ヘビーメタルと存在脅威管理理論に関する研究のようです。

2つの研究が行われており、そのうち一つの研究では「死への意識を提示した後にメタル音楽を聴いた場合に文化的な世界観を向上させる必要はなかった」と結論しており、もう一方の研究では「ファンにとってはメタル音楽が自尊心への支援を不必要とさせ、ファンでない者にとっては自尊心の向上を必要とさせた」と結論されております。

恥ずかしながら存在脅威管理理論について詳しくは知りませんが、要するにメタルという音楽が死への恐怖を克服させ、生きる勇気を与えてくれるという事だと私は解釈しました。

 

確かに、魂を鼓舞するかのようなツーバスの音が、身体の奥底まで響いてくるようなベースの音が、精神の絶頂を迎えるような超絶ギターの音が、そして天から降り注ぐようなハイトーンヴォイスや地獄の底から甦ってきたかのようなデスヴォイスが人々に生きる力を与え、困難に立ち向かうための勇気を与えているという現実があります。

 

そう、誰もがメタルヘッズ(ファン)となり誰もがメタルを聴くべきだと私は確信しています。

 

ただし、上記の研究では改めて説明する必要はないかと思いますがスラッシュメタル四天王とも言われるSlayerの曲を聴かせた群とその他の音楽を聴かせた群での比較が行われているようですが、皆様もご存知の通り「メタル」と一口に言ってもそのジャンルは非常に細分化されており、例えばメロディックスピードメタルとゴシックメタルを聴いた場合では受ける印象は異なるでしょうし、ブラックメタルを聴いている人とクリスチャンメタルを聴いている人とではその人が持つ世界観は大きく異なるでしょう。

そのように細分化されたジャンルそれぞれで精神に及ぼす効果はどのように違うのか今後の更なる研究を期待しながらヴァイキングメタルを聴いて帰りたいと思います。

 

シーユー!