【薬局薬剤師の記録的巻物】

EBMの実践のため、論文を読み、記録していきます。

スタチンはジェネリックに変更しても大丈夫ですか?

「Comparative Effectiveness of Generic Atorvastatin and Lipitor® in Patients Hospitalized with an Acute Coronary Syndrome.」

PMID: 27098970
 

PECO

P : 急性冠症候群により入院した後、退院後7日以上生存した65歳以上の患者(カナダ、15726人・平均年齢76.9歳・男性56.3%・心筋梗塞の既往87.6%)
E : アトルバスタチンの後発品(9社の後発品)
C : アトルバスタチンの先発品(リピトール)
O : 1年以内の死亡又は急性冠症候群による入院
 

チェック項目

・研究デザイン : 人工ベースのコホート研究
・真のアウトカムか? : 真のアウトカム
・交絡因子の調整は? : 傾向スコアマッチングが行われている
・集団の代表性は? : 一般診療のデータベースが用いられており、大きな問題はないと思われる
 

結果

E群(17.7%) vs C群(17.7%) →ハザード比1.00(95%信頼区間0.93~1.08)P=0.94
 
※二次アウトカム
・糖尿病の新規発症→2.0% vs 1.9% P=0.37
・横紋筋融解症→30日又は1年で有意な差は見られていない(P=0.39)
 
※サブグループ解析
年齢、性別、糖尿病、用量等でサブグループ解析が行われているが全て有意な差は見られていない
 

感想

なかなか面白い研究ですね。
「1年以内」という期間はやや短いのではないかという気もしますが、二次予防としてある程度効果が見込めるスタチンにおいて先発品と後発品では差が見られなかったというのは重要な点であると思います。
 
あまり深くは書きませんが、薬剤師としては使いどころが多そうな報告です。