NOACはワルファリンと比較して消化管出血は増えるのか?①
前回のメタ分析でNOACではワルファリンと比較して消化管出血を増やすことが示唆されていたの
今回はそれに関連した論文を。
「Risk of gastrointestinal bleeding associated with oral anticoagulants: population based retrospective cohort study」
・研究デザイン : 後ろ向きコホート研究
PECO
P : 米国で民間保険会社のデータベースに登録されている出血イベントの既往のない18歳以上の患者(46163人)
E : ダビガトラン(4907人)・リバーロキサバン(1649人)
C : ワルファリン(39607人)
O : 消化管出血
チェック項目
・真のアウトカムか? : 真のアウトカム
・一次アウトカムは明確か? : 明確
・調整された交絡因子 : 傾向スコアによるマッチングが行われている。年齢・CCSの分類・NSAIDsの使用・性別・地域・腎不全・トラウマ・ピロリ菌保有・PPIやステロイドの服用について調整。
結果
・ダビガトラン : 調整後ハザード比1.21(95%信頼区間0.96―1.53)
・リバーロキサバン : 調整後ハザード比0.98(95%信頼区間0.36―2.69)
尚、65歳以下及び65歳以上の比較でも有意差はみられない。
感想
ダビガトランでは消化管出血が増える傾向にあるが有意な差は見れない。
後ろ向きの観察研究なので、ダビガトラン・リバーロキサバンはワルファリンと比較して消化管出血を増やさない可能性があることが示唆されるに留まるかと思いますが、自分が読んだ限りでは観察期間が14日(英語自信ない)のようなので期間的に短いのかなとも感じます。