【薬局薬剤師の記録的巻物】

EBMの実践のため、論文を読み、記録していきます。

n-3脂肪酸(ω-3脂肪酸)は心血管死に対して有効か?

「n−3 Fatty Acids in Patients with Multiple Cardiovascular Risk Factors」

PMID: 23656645
 
 
・研究デザイン : ランダム化比較試験
 

PECO

P : 複数の心血管リスク(糖尿病・65歳以上・男性・高血圧・高コレステロール血症・喫煙・BMI30以上・心血管疾患のうち4つ以上に該当)又はアテローム性動脈硬化(狭心症・末梢動脈疾患・虚血性脳卒中の既往・一過性脳虚血発作の既往・動脈再生の治療あり)を有する平均年齢64歳のイタリア人(12513人)
E : n-3脂肪酸 1g/日(6244人)
C : プラセボ(オリーブオイル)(6269人)
O : 心血管死又は心血管疾患による入院の複合エンドポイント
 

チェック項目

真のアウトカムか? : 真のアウトカム
・一次アウトカムは明確か? : 明確
・盲検化されているか? : 二重盲検が行われている
・ITT解析されいるか? : されている
・追跡率 : 99.9%
・追跡期間中央値 : 5年
・患者背景 : ほぼ同等
 

結果

n-3脂肪酸群(11.7%) vs プラセボ群(11.9%)→調整後ハザード比0.97(95%信頼区間0.88-1.08)、P=0.58
 

感想

n-3脂肪酸1日1gでは有意差なし。NNTも500人と有意義なものとは感じない。