【薬局薬剤師の記録的巻物】

EBMの実践のため、論文を読み、記録していきます。

インフルエンザ抗原迅速診断キットによる診断の正確さ

http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/24384898

 
「Factorsinfluencingthediagnostic accuracyoftherapidinfluenza antigendetectiontest(RIADT): across-sectionalstudy」
 
研究デザイン : 横断研究
 
・PECO
P : 上気道症状のある37℃以上の患者
E : インフルエンザ抗原迅速診断キットによる診断
C : VRVによる診断
O : 診断の結果はどうなるか
 
・標準検査は妥当か? : 標準検査はVRVでgold standardの記載あり
 
・対象患者は適切か? : 上気道症状があり37℃以上ということでインフルエンザの鑑別が必要な患者
 
・研究で行われた診断と標準検査は全ての患者に対して行われているか? : 行われていると記載あり
 
・ 研究で行われた診断と標準検査は独立して判定されているか? : 特に記載はないが、人による裁量の余地が入りにくい判定だと思われる。
 
・研究で行われた診断法と標準検査の判定方法は明確か? : 機械的に明確に判定されている
 
・研究で行われた診断法と標準検査はいずれも再現性があるか? : 訓練を受けた医師によるものとの記載あり
 
・結果
a.検査陽性で疾患あり→43人
b.検査陽性で疾患なし→2人
c.検査陰性で疾患あり→16人
d.検査陰性で疾患なし→21人

さて、ここからは計算です
 
有病割合(a+c/a+b+c+d)→72%
感度(a/a+c)→72.9%
特異度(d/b+d)→91.3%
陽性的中率(a/a+b)→95.6%
陰性的中率(d/c+d)→56.8%
 
陽性尤度比(感度/1-特異度)→8.5
陰性尤度比(1-感度/特異度)→0.3
 
・感想
検査前確率が50%(検査をする前に、インフルエンザかどうか五分五分かな?と見立てた場合)だと仮定した場合、検査で陽性が出た場合検査後確率は90%を超え、陰性が出た場合は検査後確率は25%となるため、陽性が出た場合はほぼ疾患があると確定して良さそうですが、陰性が出たからと言って疾患がないとは言えないのではないかと思います。
なので、例えば検査前確率が20%程度であれば確定のためには有用ですが、インフルエンザの流行期で症状からインフルエンザとみてほぼ間違いないんじゃないかというような場合は検査をする意義があまりないのかもしれません。
 
 
とまあなんとなくはわかっていたものに対してきちんと理解できたようなできてないような。。。
 
 
参考までに検査前確率から尤度比に直線を引くだけで検査後確率を推定できるモノグラムを
 

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