【薬局薬剤師の記録的巻物】

EBMの実践のため、論文を読み、記録していきます。

PECOについて

このブログでも度々出てくるPECOですが、PECOとは疑問を定式化することで疑問を明確にしていくための方法です。

疑問には「前景疑問」と「背景疑問」と呼ばれる2種類の疑問に分類されるみたいなんですがまあ詳しいことはまた後にして、前者の前景疑問に含まれる4つの成分の頭文字を取って「PECO」と呼ばれます。
 
これだとなんだか良くわからないので頭文字一つ一つを説明すると、
 
Patient→どんな患者に
Exposure→何をすると
Comparison→何と比べて
Outocome→どのような結果を得るか
 
というように定式化していきます。
 
例えばハルシオンが処方されている78歳の患者さんから
「この薬を飲んでるとボケると友達から言われたんですけど本当ですか?」と質問された場合、
 
・P→高齢者で睡眠障害のある患者さんが
・E→ハルシオンを服用すると
・C→ハルシオンを服用しない場合に比べて
・O→認知症のリスクは高くなるか
 
というように定式化できますね。
場合によってはEが「BZ系を服用すると」とかCが「他の睡眠導入剤と比べて」等と変化することもあると思います。
 
その後論文を検索して調べてみたら
 
 
上記の論文を見つけたとします。
論文を読んでいく上で、この論文が疑問を解決させてくれるものかどうか判断するためにPECOを活用して要約することで読むべき論文かどうかを判断でき、論文の内容も理解しやすくなります。実際に定式化してみると、
 
P→67歳以上の人が
E→ベンゾジアゼピン系を服用すると
C→服用しない場合に比べて
O→ADリスクは上昇するか?
 
という感じになるかと思いますが、これであれば初めの疑問にマッチしそうですね。
 
 
このようにPECOを活用していくと疑問の整理と論文の内容の理解がしやすくなります。