【薬局薬剤師の記録的巻物】

EBMの実践のため、論文を読み、記録していきます。

ワルファリン+DAPT vs DAPT/メトホルミンにもう1剤追加するなら

【私的背景】

今回は抄録しか読めないけど気になった論文を。

 

 

「Prevalence, Management, and Long-Term (6-Year) Outcomes of Atrial Fibrillation Among Patients Receiving Drug-Eluting Coronary Stents.」

PMID:28527773

https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/28527773

 

【PECO】

: 心房細動を有する薬剤溶出性ステントによるPCI施行後の患者(711例)

: DAPT+ワルファリン

: DAPT

: 心血管死亡・心筋梗塞脳卒中の複合アウトカム

 

【チェック項目】

・研究デザイン : 観察研究

・真のアウトカムか? : 真のアウトカム

・追跡期間 : 6年間

 

【結果】

・一次アウトカム→ハザード比 1.01(95%信頼区間 0.60~1.69)P=0.98

・出血性脳卒中→ハザード比 7.73(95%信頼区間 2.14~27.91)P=0.002

・重大な出血→ハザード比 4.48(95%信頼区間 1.81~11.08)P=0.001

 

【感想】

心房細動を有するPCI施行後の患者において、長期間のトリプル療法はリスクがベネフィットを上回る可能性がある。

ワルファリン+抗血小板薬1剤との比較も見てみたいところ。

 

関連記事

 

 

「Cardiovascular events associated with second-line anti-diabetes treatments: analysis of real-world Korean data.」

PMID:28523719

https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/28523719

 

【PECO】

: 2型糖尿病患者(韓国、40263例)

E・C : メトホルミンに、SU薬・DPP-4阻害薬・チアゾリジン系薬のいずれかを追加

: 重大な心血管イベント(冠動脈疾患、心不全脳卒中TIA)、総死亡

 

【チェック項目】

・研究デザイン : 観察研究

・真のアウトカムか? : 真のアウトカム

・対象集団の代表性は? : 国民健康保険のデータベースが使用されており、大きな問題はないと思われる

 

【結果】

〇心血管疾患

・メトホルミン+DPP-4阻害薬 vs メトホルミン+SU薬→調整ハザード比 0.79(95%信頼区間 0.71~0.89)

・メトホルミン+チアゾリジン vs メトホルミン+SU薬→調整ハザード比 0.85(95%信頼区間 0.65~1.11)

 

〇総死亡

・メトホルミン+DPP-4阻害薬 vs メトホルミン+SU薬→調整ハザード比 0.84(95%信頼区間 0.66~1.07)

・メトホルミン+チアゾリジン vs メトホルミン+SU薬→調整ハザード比 0.67(95%信頼区間 0.35~1.28)

 

【感想】

総死亡について有意な差が見られない程度の違いであると言えるかもしれないが、やはりメトホルミンにもう1剤追加するならDPP-4阻害薬か。

 

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