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【薬局薬剤師の記録的巻物】

EBMの実践のため、論文を読み、記録していきます。

アピキサバンは他の抗凝固薬と比較して大出血のリスクが低いですか?

心房細動・抗凝固薬

【私的背景】

昨年からワルファリンとNOACまたはNOAC同士の比較が検討されている観察研究が量産されているが、未だ不明な部分も多い印象であるため最新の論文を読んでみたいと思う。

 

 

「Major Bleeding Complications and Persistence With Oral Anticoagulation in Non‐Valvular Atrial Fibrillation: Contemporary Findings in Real‐Life Danish Patients」

https://doi.org/10.1161/JAHA.116.004517
Journal of the American Heart Association. 2017;6:e004517
Originally published February 14, 2017

 

PECO

: 18歳以上で新規に抗凝固薬が開始された非弁膜性心房細動患者(デンマーク、54321例、平均年齢73歳、男性56%、CHAD2DS2-VAScスコア平均2.9点、HAS-BLEDスコア平均2.2点)

: リバーロキサバン、ダビガトラン、ワルファリン

: アピキサバン

: 大出血、非継続

 

チェック項目

・研究デザイン : 後ろ向きコホート研究

・真のアウトカムか? : 大出血→真のアウトカム、アドヒアランス→非継続

・対象集団の代表性は? : デンマークにおける全国的な処方・診断のデータが使用されており、大きな問題はないと思われる

・交絡因子の調整は? : 年齢、性別、暦年、CHAD2DS2-VAScスコアおよびHAS-BLEDスコアに含まれる因子、抗凝固薬の変更

・追跡期間 : 平均403日間

 

結果

【大出血】

・リバーロキサバン(4.3%/年) vs アピキサバン(3.6%/年)→ハザード比 1.49(95%信頼区間 1.27~1.77)

・ダビガトラン(2.9%/年) vs アピキサバン(3.6%/年)→ハザード比 1.17(95%信頼区間 1.00~1.38)

・ワルファリン(3.9%/年) vs アピキサバン(3.6%/年)→ハザード比 1.23(95%信頼区間 1.05~1.43)

 

【非継続】

・リバーロキサバン vs アピキサバン→ハザード比 1.07(95%信頼区間 0.96~1.20)

・ダビガトラン vs アピキサバン→ハザード比 1.45(95%信頼区間 1.33~1.59)

・ワルファリン vs アピキサバン→ハザード比 1.22(95%信頼区間 1.12~1.33)

 

感想

これまでの研究と同じようにアピキサバンは他の抗凝固薬と比較して大出血のリスクが低いことが示唆されております。

ただし、リバーロキサバンは15~20mg/日と日本で使われている用量よりも多い点とワルファリンのTTRに関しては記載がないためワルファリンの管理については不明である点には注意が必要です。

また、調整は行われているものの、ワルファリン群では心不全・高血圧症・腎疾患を有していたりアスピリンを併用している割合が若干多いため、そのような交絡の可能性も高い印象です。

 

とは言え、やはりこれまでの研究を加味するとやはり出血の副作用に関してはアピキサバンが有利であるように思います。

 

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