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【薬局薬剤師の記録的巻物】

EBMの実践のため、論文を読み、記録していきます。

家族がインフルエンザに罹患した場合はオセルタミビルを服用することで予防できますか?

【私的背景】

家庭内にインフルエンザ患者いる場合のオセルタミビルの予防使用による効果について簡単にまとめてみたいと思う。

 

 

①「Management of influenza in households: a prospective, randomized comparison of oseltamivir treatment with or without postexposure prophylaxis.」

PMID:14745701

https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/14745701

→ランダム化比較試験

インフルエンザ様症状のある患者がいる家庭において、家族がオセルタミビル75mg×2/日(小児の場合は用量調節)を予防として10日間使用した群と経過観察した群で検査によるインフルエンザ陽性を認める割合について比較されている。

 

・オセルタミビル群(11%) vs 経過観察群(26%)→58.5%減少(95%信頼区間15.6~79.6)P=0.0114、NNT=7

 

【コメント】

オセルタミビルの予防使用により、検査によるインフルエンザ陽性は経過観察と比較するとおよそ6割の減少が見られておりますが、NNTを見てみると7家庭に使用して1家庭で家族への感染を予防する程度の効果であり、少し微妙な感じもします。

本試験はオープンラベルで行われているため予防使用群と経過観察群では家族がインフルエンザに罹患している患者への接し方に違いがある可能性がある点には注意が必要かもしれません。

 

 

②「Effectiveness of oseltamivir in preventing influenza in household contacts: a randomized controlled trial.」

PMID:11176912

https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/11176912

※抄録のみ

→クラスターランダム化比較試験

検査によるインフルエンザ陽性の患者がいる家庭の家族に対して、オセルタミビル75mg×1/日を7日間使用した群とプラセボを7日間使用した群でインフルエンザ陽性を認める割合について比較されている。

 

・オセルタミビル群 vs プラセボ群→84%減少(95%信頼区間49~95)P<0.001

 

【コメント】

①のランダム化比較試験と比べてオセルタミビルの用量および投与日数は少ないものの、大きな効果が見られております。

本試験では二重盲検が行われており、どちらの群でもインフルエンザに罹患している家族との接触には気を付けていたとも考えられます。

 

 

感想

インフルエンザ予防の基本はあくまでも予防接種・手洗い・マスク着用・インフルエンザ罹患患者との接触を極力避けるというところになるかと思いますが、家族がインフルエンザに罹患してしまった際はオセルタミビルを予防として使用することによりある程度の効果が期待でき、例えば予防接種を受けずに受験直前でどうしてもインフルエンザに罹患することを避けたい場合やどうしても仕事を休めない場合等は、吐き気や嘔吐などの副作用に注意が必要ですが、オセルタミビルの予防使用が考慮され得ると考えます。

 

用量としては②のランダム化比較試験の結果から添付文書通りの75mg×1/日(成人の場合)を7日間投与で十分なように思いますが、①のランダム化比較試験を考慮するとオセルタミビルを予防使用しているからといって油断せずに、インフルエンザに罹患している家族との接触には十分注意する必要があります。

 

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