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【薬局薬剤師の記録的巻物】

EBMの実践のため、論文を読み、記録していきます。

EBMを誤解していませんか?

EBM(Evidence baced medicine)と出会ってから2年ちょっとの月日が経ちましたが、これまでに多くのEBMに対する誤解を目にしてきました。

私自身、EBMについて誤解している部分もあるかもしれませんが、EBMの実践を模索している薬局薬剤師として私のEBMに対する考えをまとめてみたいと思います。

 

EBMに対する誤解の一つに「EBMではランダム化比較試験に基づいた薬剤使用を推奨する」とか「EBMはエビデンスに従って意思決定を行う」といったようなものが多く見受けられます。

ではそういった意見について何故誤解していると考えるのか、EBMの5つのstepを例に挙げてみたいと思います。

 

EBMは「step1:疑問の定式化」「step2:情報収集」「step3:情報の批判的吟味」「step4:情報の患者への適用」「step5:step1~step4の再評価」の5つのstepから構成されております。

目の前の患者から生じた疑問を定式化することで明確にして、その疑問と関連した情報を探し、得られた情報を鵜呑みにせず妥当なものであるのか評価を行い、その情報が目の前の患者に適用できるものなのかを考え、その後目の前の患者がどうなったのか又は自分が行った医療行為が妥当なものだったのかを考えるという5つのstepを行うことこそがEBMであり、更にstep4ではエビデンス・患者の病状や環境・患者の好みや行動・医療者の臨床経験の4つを考慮すべきとされております。

 

ここまでで何が誤解であるのか明確になったように思いますが、「Evidence based medicine」と名付けられてはいるもののエビデンスもEBMを構成する一つの要素にすぎず、決してマニュアルのようにエビデンスに従って医療行為を行うといったようなものではありません。

そもそもEBMの目標は個別の患者の利益を最大化することであり、集団である患者群を対象としたランダム化比較試験などのエビデンスのみではその目標を達成することは不可能であるため、患者の価値観や背景などを考慮しつつ意思決定していくものだと私は理解しています。

このブログを見ていただいている方の中には結論が曖昧な記事が多いと感じられている方もいらっしゃるかもしれませんが、論文を読めば読むほど、EBMを実践すればするほどエビデンスが示すものは非常に曖昧であるため、それのみで意思決定を行うことは出来ず、経験や患者の価値観等を十分に考慮する必要があると私は感じております。

ランダム化比較試験で示された統計学的有意差を盲信して医療行為を行うといったようなものはEBMとは言わないのです。

 

 

我々薬剤師は大学または卒後の研修等で薬学を学びます。

薬理学や薬物動態学といった基礎薬学の知識が必要ないという薬剤師は恐らくいないのではないかと思いますが、目の前の患者がその薬を服用することでどのような経過を辿るのかについて考える際はEBMが必要不可欠であり、薬剤師にとって基礎薬学と同じくらい重要なものであると私は考えます。

誤解を基にEBMを必要のないものだと結論してしまわないように、EBMが薬剤師にとっては当たり前のものとなるように今後情報発信をしていきたいと思います。