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【薬局薬剤師の記録的巻物】

EBMの実践のため、論文を読み、記録していきます。

メトホルミンに追加するならSU薬?それともDPP-4阻害薬?

「Sulphonylurea compared to DPP-4 inhibitors in combination with metformin carries increased risk of severe hypoglycemia, cardiovascular events, and all-cause mortality.」

PMID:27329021

https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/27329021

 

PECO

: メトホルミンが処方されている2型糖尿病患者(スウェーデン、52760人、平均年齢61.3歳、男性62.5%)

: メトホルミン+SU薬

: メトホルミン+DPP-4阻害薬

: 深刻な低血糖、致死的または非致死的な心血管疾患、総死亡

 

チェック項目

・研究デザイン : コホート研究

・真のアウトカムか? : 真のアウトカム

・対象集団の代表性は? : スウェーデンいおける全国的な処方薬に関するデータが用いられており、大きな問題はないと思われる

・交絡因子の調整は? : 傾向スコアマッチングが行われており、年齢・性別・虚弱性・心血管疾患の既往・腎疾患・微小血管疾患・深刻な低血糖・癌・COPD・スタチン・低用量アスピリン・降圧薬・下肢切断についてマッチングされている

・追跡期間中央値 : メトホルミン+SU薬→3.4年、メトホルミン+DPP-4阻害薬→2.5年

 

結果

【深刻な低血糖】

E群(2.0/1000人年) vs C群(0.8/1000人年)→ハザード比1.88(95%信頼区間0.98~3.62)、NNH=84人/年

【致死的または非致死的な心血管疾患】

E群(19.6/1000人年) vs C群(7.6/1000人年)→ハザード比1.23(95%信頼区間1.05~1.44)、DPP-4阻害薬のNNT=9人/年

【総死亡】

E群(24.6/1000人年) vs C群(14.9/1000人年)→ハザード比1.43(95%信頼区間1.55~1.77)、DPP-4阻害薬のNNT=11人/年

 

感想

結果としては目新しいものではなく観察研究ではありますが、メトホルミンに血糖降下薬を追加する場合SU薬はDPP-4阻害薬と比較してイベント数が少なかったためか有意な差は見られていないものの深刻な低血糖リスクを増加させる傾向にあり、心血管疾患および総死亡については有意なリスク増加が示唆されており、これまでの報告と同じような結果となっております(関連記事)。

もちろん交絡の可能性はありますが、少なくともSU薬を使用する意義については不明であり、メトホルミンを使用していても高血糖が問題となる場合等ではDPP-4阻害薬を追加するのが現時点では妥当なところかなと思います。

まあ現実的にもSU薬が追加されるという事は今はあまりないかとは思いますが。

 

SU薬が死亡を増やしているのか、それとも死亡しやすいような患者にSU薬が処方されているのかは不明ですがSU薬併用群では死亡や心血管疾患が多い点が若干気になるため高齢の2型糖尿病患者の心血管リスク・死亡リスクについても後程調べてみたいと思います。

 

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