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【薬局薬剤師の記録的巻物】

EBMの実践のため、論文を読み、記録していきます。

NSAIDsの使用は心筋梗塞発症リスクを増加させますか?

「Myocardial infarction and individual nonsteroidal anti-inflammatory drugs meta-analysis of observational studies.」

PMID:23616423

https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/23616423

 

PECO

: 観察研究に参加した患者

: NSAIDsの使用あり

: 使用なし

: 急性心筋梗塞の発症

 

チェック項目

・研究デザイン : 観察研究のシステマティックレビュー&メタ解析

・真のアウトカムか? : 真のアウトカム

・一次アウトカムは明確か? : 明確

・評価者バイアス : 2人の研究者が評価している。評価の食い違いが生じた場合等の記載はなし。

・出版バイアス : Funnel plotを用いて検討されており本文中では対称であると記載されている。データべースはMedlineのみが使用されており、言語や個々の研究者に連絡を取ったのかについては記載なし。

・元論文バイアス : Newcastle-Ottawa Scaleを用いて検討されており、eTable4aを見ると大きな問題はないように思われる。

・異質性バイアス : フォレストプロットの方向性は一致している。

 

結果

・ナプロキセン→相対リスク1.06(95%信頼区間0.94~1.20)I2=72%

・イブプロフェン→相対リスク1.14(95%信頼区間0.98~1.31)I2=90%

・メロキシカム→相対リスク1.25(95%信頼区間1.04~1.49)I2=0%

・ジクロフェナク→相対リスク1.38(95%信頼区間1.26~1.52)I2=61%

・インドメタシン→相対リスク1.40(95%信頼区間1.21~1.62)I2=0%

・エトドラク→相対リスク1.55(95%信頼区間1.16~2.06)I2=0%

・セレコキシブ→相対リスク1.12(95%信頼区間1.00~1.25)I2=67%

・ロフェコキシブ→相対リスク1.34(95%信頼区間1.22~1.48)I2=61%

・エトリコキシブ→相対リスク1.97(95%信頼区間1.35~2.89)I2=0%

 

結果

異質性が高く、システマテックレビューとしては決して質の高い研究でない印象ではありますが、ナプロキセンの使用により急性心筋梗塞発症のリスクに増加傾向が見られ、その他の非選択的または選択的NSAIDsでは有意なリスク増加が示唆されております。

 

これまでの研究(関連記事)も踏まれて考えるとNSAIDsの使用が心筋梗塞・心不全のリスクを増加させることは明白であり、勿論リスクとしてはそれほど大きなものではないため使用するべきではないというわけではありませんが、特にリスクが高い高齢者に対する漫然投与は避けたいところではあります。

 

そうは言っても個人的にはベンゾジアゼピン系薬等と同様に中止するのはなかなか難しい薬剤であり、中止の提案を行った際も中止ではなく減量になる場合が多い印象ですが、この研究においては高用量群と比較して低用量群ではわずかにリスクは減少する傾向にあるようですが、それでもやはり心筋梗塞発症リスクは増加する事が示唆されているため可能であればリスクの高い患者では中止となるような提案を模索していきたいところです。

 

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