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【薬局薬剤師の記録的巻物】

EBMの実践のため、論文を読み、記録していきます。

フィブラートは二次予防に有効ですか?

 

「Fibrates for secondary prevention of cardiovascular disease and stroke.」

PMID:26497361

https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/26497361

 

PECO

: 冠動脈疾患または脳卒中の既往のある患者(16112人)

: フィブラートの使用(クロフィブラート・ゲムフィブロジル・フェノフィブラート・ベザフィブラート・シプロフィブラート)

: プラセボの使用または治療なし

: 非致死的脳卒中・非致死的心筋梗塞・血管死亡の複合アウトカム

 

チェック項目

・研究デザイン : システマティックレビュー&メタ解析

・真のアウトカムか? : 真のアウトカム

・一次アウトカムは明確か? : 明確

・評価者バイアス : 2人の評価者が独立して評価している。意見の食い違いが生じた場合は第三者が介入し合意を形成している。

・出版バイアス : 言語の制限はなく探している。個々の研究者に連絡を取っている。出版されていない研究も探している。ファンネルプロットを用いて検討されているが非対称。

・元論文バイアス : 全てランダム化比較試験。Cochrane Handbook for Systematic Reviews of Interventionsを用いて検討されている。Figure1,2を見ると大きな問題はないように思われる。

・異質性バイアス : フォレストプロットの方向性は概ね一致している。

 

結果

〇一次アウトカム

・非致死的脳卒中、非致死的心筋梗塞、血管死亡→リスク比0.88(95%信頼区間0.83~0.94) 異質性:I2=45%

※クロフィブラートなし→リスク比0.90(95%信頼区間0.79~1.03) 異質性I2=50%

 

〇二次アウトカム

・総死亡→リスク比0.98(95%信頼区間0.91~1.06) 異質性:I2=23%

※クロフィブラートなし→リスク比1.01(95%信頼区間0.91~1.12) 異質性:I2=1%

 ・血管死亡→リスク比0.95(95%信頼区間0.86~1.05) 異質性:I2=11%

※クロフィブラートなし→リスク比0.98(95%信頼区間0.84~1.15) 異質性:I2=44%

 ・心筋梗塞→リスク比0.86(95%信頼区間0.80~0.93) 異質性:I2=24%

※クロフィブラートなし→リスク比0.85(95%信頼区間0.76~0.94) 異質性:I2=47%

 ・脳卒中→リスク比1.03(95%信頼区間0.91~1.16) 異質性:I2=11%

※クロフィブラートなし→リスク比0.94(95%信頼区間0.78~1.14) 異質性:I2=44%

 

〇有害事象

・筋障害→リスク比0.86(95%信頼区間0.31~2.35) 異質性:I2=0%

・糖尿病発症→リスク比0.57(95%信頼区間0.15~2.26)

・消化管イベント→リスク比1.02(95%信頼区間1.00~1.04) 異質性:I2=42%

 

サブグループでも概ね同じような結果

 

感想

二次予防におけるフィブラートの使用は脳卒中・心筋梗塞・血管死亡を複合したアウトカムのリスクを低下させることが示唆されております。

ただし出版バイアスの可能性が高いため割り引いて考える必要がある点と、心疾患以外の原因による死亡を増加させる懸念があるとされているクロフィブラート(PMID:6147641 https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/6147641 )を除外した解析では有意な差は見られていない点には注意が必要かと思います。

 

二次アウトカムではありますが複合アウトカムの各要素のうち有意なリスク低下が見られるのは心筋梗塞のみで、特に死亡の先延ばしについては効果が不明であり、二次予防においてもフィブラートの使用は非常に微妙だなというのが率直な感想です。

 

統合されているランダム化比較試験の論文も個別に読んでTG値等も見ていきたいところですが、そちらはまた改めて時間があるときに。