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【薬局薬剤師の記録的巻物】

EBMの実践のため、論文を読み、記録していきます。

ダビガトランはワルファリンよりもAKI発症リスクが低いですか?

「Acute Kidney Injury in Asians With Atrial Fibrillation Treated With Dabigatran or Warfarin」

J Am Coll Cardiol. 2016;68(21):2272-2283. doi:10.1016/j.jacc.2016.08.063

https://content.onlinejacc.org/article.aspx?articleID=2587010

 

PECO

: 新たに心房細動と診断された30歳以上の患者(台湾、19932人)

: ダビガトラン110~150mg×2/日

: ワルファリン

: 急性腎傷害の発症

 

チェック項目

・研究デザイン : 後ろ向きコホート研究

・真のアウトカムか? : 真のアウトカム

・対象集団の代表性は? : 全民健康保険のデータベースが使用されており、大きな問題はないと思われる

・交絡因子の調整は? : 傾向スコアマッチングが行われている(Table1,2の項目についてマッチングされている)

・追跡期間中央値 : ダビガトラン→0.69年、ワルファリン→0.79年

 

結果

【急性腎障害の発症】

・慢性腎臓病なし(15587人、平均年齢75±10歳)

E群(2.17/100人年) vs C群(3.47/100人年)→ハザード比0.62(95%信頼区間0.49~0.77)P<0.001

※サブグループ解析

・ダビガトラン110mg×2/日

E群(2.34/100人年) vs C群(3.51/100人年)→ハザード比0.66(95%信頼区間0.52~0.83)

・ダビガトラン150mg×2/日

E群(1.08/100人年) vs C群(3.03/100人年)→ハザード比0.36(95%信頼区間0.16~0.81)

 

・慢性腎臓病あり(4345人、平均年齢77±9歳)

E群(9.28/100人年) vs C群(16.21/100人年)→ハザード比0.56(95%信頼区間0.46~0.69)P<0.001

※サブグループ解析

・ダビガトラン110mg×2/日

E群(9.52/100人年) vs C群(16.33/100人年)→ハザード比0.57(95%信頼区間0.46~0.70)

・ダビガトラン150mg×2/日

E群(7.39/100人年) vs C群(14.81/100人年)→ハザード比0.50(95%信頼区間0.25~0.97)

 

感想

アジア人においてダビガトランはワルファリンと比較してAKI発症のリスクが低いことが示唆されており、特にCKD患者では非CKD患者と比べてみるとその差が大きいような印象です。

INRや腎機能の詳細については記載がないためこれのみで結論するということはできませんが、やはり今回もNOAC有利な結果が報告されております。

 

腎機能低下と抗凝固薬についてはまた後日改めて取り上げたいと思います。