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【薬局薬剤師の記録的巻物】

EBMの実践のため、論文を読み、記録していきます。

薬剤のアンダーユーズは心血管イベントリスクを増加させますか?

「Medication Underuse in Aging Outpatients with Cardiovascular Disease: Prevalence, Determinants, and Outcomes in a Prospective Cohort Study.」

PMID:26288222

https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/26288222

 

PECO

: ESTHER study(Strong associations of 25-hydroxyvitamin D concentrations with all-cause, cardiovascular, cancer, and respiratory disease mortality in a large coho... - PubMed - NCBI)に登録された患者(ドイツ、1454人、平均年齢71.1±6.1歳、女性46.2%)

: 心血管疾患に対するアンダーユーズあり(START criteriaに準拠)

: 薬剤が適切に使用されている

: 心血管アウトカム(心血管死亡・非致死的心筋梗塞・脳卒中・冠動脈への介入)、非心血管疾患死亡

 

※START criteriaの項目

・アテローム性冠動脈疾患、脳血管疾患、末梢動脈疾患の既往がある患者への抗血小板薬の使用

・在宅で繰り返し測定した収縮期血圧が一貫して160mmHgを超える場合の降圧治療

・Barthel index scoreが75以上で冠動脈疾患、脳血管疾患、末梢動脈疾患の既往のある患者

・慢性安定型狭心症を有する患者へのβ遮断薬の使用

・重大な心血管リスク因子を有する糖尿病患者への抗血小板薬の使用

・重大な心血管リスク因子を有する糖尿病患者へのスタチンの使用

 

チェック項目

・研究デザイン : 人口ベースのコホート研究のサブサンプリング

・交絡因子の調整は? : 年齢、性別、併存疾患、心血管リスク因子について調整されている

・平均追跡期間 : 2.24年

結果

・心血管アウトカム→ハザード比1.00(95%信頼区間0.65~1.56)P=0.99

・非心血管死亡→ハザード比2.52(95%信頼区間1.01~6.30)P=0.047

 

感想

適切に薬剤が処方されていないことによる心血管アウトカムへのリスクについては不明確であり、非心血管死亡については有意なリスク上昇が示唆されているものの「癌」による死亡が多数を占めていたというような記載があり因果関係については不明である。

 

症例数が少なく、質の高い研究とは言えないような印象であり、START criteriaも現在よりも古いバージョンのもので「ん?」と思うような内容のものもあるためこの研究のみで何かを結論するというようなことは出来ませんが、やはりcriteriaのようなものは考えるきっかけとしてはとても良い材料になると思いますが、鵜呑みにしてそのまま適用するのではなく一次情報に当たり定量的に自分で考えるという行為が非常に重要なのだなと改めて思いました。