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【薬局薬剤師の記録的巻物】

EBMの実践のため、論文を読み、記録していきます。

アジア人ではリバーロキサバン・ダビガトランとワルファリンを比較するとどうですか?

心房細動・抗凝固薬

「Thromboembolic, Bleeding, and Mortality Risks of Rivaroxaban and Dabigatran in Asians With Nonvalvular Atrial Fibrillation」

J Am Coll Cardiol. 2016;68(13):1389-1401. doi:10.1016/j.jacc.2016.06.062

http://content.onlinejacc.org/article.aspx?articleid=2552921

 

PECO

: 非弁膜性心房細動の患者(台湾、15088人)

E : リバーロキサバン(10mg:416人・15mg:3009人・20mg:491人)またはダビガトラン(110mg:5309人・150mg:620人)

: ワルファリン(5251人)

: 虚血性脳卒中または全身性塞栓症、頭蓋内出血、消化管出血による入院・急性心筋梗塞・全ての出血による入院・総死亡

 

チェック項目

・研究デザイン : 後ろ向きコホート研究

・真のアウトカムか? : 真のアウトカム

・対象集団の代表性は? : 全民健康保険のデータベースが使用されており、大きな問題はないと思われる

・交絡因子の調整は? : 傾向スコアマッチングが行われている

 

結果

【虚血性脳卒中/全身塞栓症】

・リバーロキサバン(3.07%/年) vs ワルファリン(5.62%/年)→ハザード比0.51(95%信頼区間0.35~0.74)

・ダビガトラン(3.65%/年) vs ワルファリン(5.71%/年)→ハザード比0.64(95%信頼区間0.49~0.83)P=0.0006

・リバーロキサバン vs ダビガトラン→ハザード比0.78(95%信頼区間0.54~1.13)P=0.1914

 

【急性心筋梗塞】

・リバーロキサバン(0.38%/年) vs ワルファリン(0.56%/年)→ハザード比0.63(95%信頼区間0.21~1.89)P=0.0007

・ダビガトラン(0.62%/年) vs ワルファリン(0.60%/年)→ハザード比1.02(95%信頼区間0.51~2.06)P=0.9538

・リバーロキサバン vs ダビガトラン→ハザード比0.62(95%信頼区間0.22~1.68)P=0.3438

 

【頭蓋内出血】

・リバーロキサバン(0.77%/年) vs ワルファリン(2.47/年)→ハザード比0.30(95%信頼区間0.15~0.60)P=0.0007

・ダビガトラン(1.00%/年) vs ワルファリン(2.27%/年)→ハザード比0.44(95%信頼区間0.28~0.70)P=0.0005

・リバーロキサバン vs ダビガトラン→ハザード比0.73(95%信頼区間0.35~1.51)P=0.3947

 

【消化管出血による入院】

・リバーロキサバン(2.68%/年) vs ダビガトラン(1.83%/年)→ハザード比1.43(95%信頼区間0.88~2.33)P=0.1531

・ダビガトラン(1.62%/年) vs ワルファリン(1.73%/年)→ハザード比0.93(95%信頼区間0.61~1.42)P=0.7273

・リバーロキサバン vs ワルファリン→ハザード比1.60(95%信頼区間1.11~2.51)P=0.0416

 

【重大な出血による入院】

・リバーロキサバン(3.45%/年) vs ワルファリン(4.33%/年)→ハザード比0.77(95%信頼区間0.53~1.13)P=0.1786

・ダビガトラン(2.62%/年) vs ワルファリン(4.03%/年)→ハザード比0.65(95%信頼区間0.48~0.88)P=0.0050

・リバーロキサバン vs ダビガトラン→ハザード比1.26(95%信頼区間0.87~1.85)P=0.2262

 

【総死亡】

・リバーロキサバン(3.30%/年) vs ワルファリン(7.05%/年)→ハザード比0.47(95%信頼区間0.33~0.67)P<0.0001

・ダビガトラン(2.65%/年) vs ワルファリン(6.67%/年)→ハザード比0.40(95%信頼区間0.30~0.52)P<0.0001

・リバーロキサバン vs ダビガトラン→ハザード比1.27(95%信頼区間0.86~1.86)P=0.2272

 

感想

リバーロキサバン・ダビガトランはワルファリンと比較すると虚血性脳卒中/全身性塞栓症・頭蓋内出血・総死亡のリスクを減少させることが示唆されており、絶対数を見てもその差はそれほど小さなものではない印象です。

 

同じリアルワールドの観察研究でも以前取り上げた研究とは違い、今回は同じアジア人が対象となっている点とリバーロキサバンでは大多数に15mgが使われている点に注目すべきかと思います(ダビガトランもほとんどが110mg)。

主に15mgの使用でワルファリンよりも頭蓋内出血のリスクは少なく、虚血性脳卒中/全身性塞栓症と死亡リスクも減少させることが示唆されている貴重な研究です。

 

やはり総合的にNOACが優位な印象ですね。

 

それにしても最近なんだか台湾の観察研究ばかり読んでいるような気がします。

そして新薬にとって少し出来過ぎの結果であるような感じもしますねえ。

 

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