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【薬局薬剤師の記録的巻物】

EBMの実践のため、論文を読み、記録していきます。

高齢者へのDPP-4阻害薬の使用は総死亡リスクを減少させますか?

以前に心不全既往のある2型糖尿病患者とDPP-4阻害薬について検討されているコホート研究を取り上げましたが、

 

台湾から他にもコホート研究が出ていたようなので今回はそちらを読んでみたいと思います。

 

 

「Cardiovascular Outcomes of Dipeptidyl Peptidase-4 Inhibitors in Elderly Patients With Type 2 Diabetes: A Nationwide Study.」

PMID:26612484

https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/26612484

 

PECO

: 2型糖尿病と診断された65歳以上の患者(台湾、414213人、平均年齢74.3±5.9歳)

: DPP-4阻害薬の使用あり

: 使用なし

: 総死亡、MACE(心筋梗塞・虚血性脳卒中)、心筋梗塞、虚血性脳卒中

 

チェック項目

・研究デザイン : コホート研究

・真のアウトカムか? : 真のアウトカム

・対象集団の代表性は? : 全民健康保険のデータベースが用いられており、問題はないと思われる

・交絡因子の調整は? : 傾向スコアマッチングが行われている。登録年・登録月・年齢・性別・月収・都市レベル・併存疾患のスコア・前年度の代謝および内分泌科への受診回数・aDCSIスコア・2型糖尿病の罹患期間・併用薬(その他の血糖降下薬・降圧薬・アスピリン・クロピドグレル・チクロピジン・NSAIDs・スタチン)・ベースライン時の重大な併存疾患。

・追跡期間 : 平均2.2年間

 

結果

・総死亡 : E群(7.8%) vs C群(13.5%)→ハザード比0.54(95%信頼区間0.52~0.56)P<0.001、NNT=18

・MACE : E群(5.6%) vs C群(6.5%)→ハザード比0.79(95%信頼区間0.75~0.83)P<0.001、NNT=112

・心筋梗塞 : E群(1.5%) vs C群(1.7%)→ハザード比0.79(95%信頼区間0.79~0.87)P<0.001、NNT=500

・虚血性脳卒中 : E群(4.3%) vs C群(5.1%)→ハザード比0.79(95%信頼区間0.75~0.84)P<0.001、NNT=125

※二次アウトカム

・心不全 : E群(1.7%) vs C群(1.7%)→ハザード比0.97(95%信頼区間0.88~1.06)P<0.524

・低血糖 : E群(4.6%) vs C群(4.4%)→ハザード比0.96(95%信頼区間0.91~1.02)P<0.158

 

感想

2型糖尿病の高齢者へのDPP-4阻害薬の使用について検討されている貴重なコホート研究です。

しかも平均2.2年という追跡期間で総死亡・心筋梗塞・脳卒中についてリスクを減少させることが示唆されており、特に総死亡で大きなリスクな低下が見られている点については驚きの結果です。

コホート研究としては大きな問題はない印象ですが、やや出来過ぎなような気もしますね。

 

個人的な意見ですがこれまでのDPP-4阻害薬のイメージと乖離しており解釈に迷ってしまいますが、高齢者でメトホルミンが使えない等の場合、次の一手としてはやはりDPP-4阻害薬なのかなと思います。