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【薬局薬剤師の記録的巻物】

EBMの実践のため、論文を読み、記録していきます。

LAMAとLABAの心血管疾患・肺炎の比較/心房細動患者と血圧

今回はアブストラクトのみですが気になった論文を2つほど。

 

 

①「Long-acting bronchodilator initiation in COPD and the risk of adverse cardio-pulmonary events: A population-based comparative safety study.」

PMID:27554300

http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/27554300

 

【PECO

: 長時間作用型気管支拡張薬を新規に使用した55歳以上の患者(英国)

: チオトロピウムを開始(26442人)

: LABAを開始(26442人、主に吸入ステロイドとの併用)

: 急性心筋梗塞、脳卒中、心不全、不整脈、肺炎

 

【チェック項目】

・研究デザイン : コホート研究

・真のアウトカムか? : 真のアウトカム

・対象集団の代表性は? : 一般診療のデータベースが用いられており大きな問題はないと思われる

・交絡因子の調整は? : 傾向スコアマッチングが行われている

 

【結果】

・急性心筋梗塞→ハザード比1.10(95%信頼区間0.88~1.38)

・脳卒中→ハザード比1.02(95%信頼区間0.78~1.34)

・不整脈→ハザード比0..81(95%信頼区間0.60~1.09)

・心不全→ハザード比0.90(95%信頼区間0.79~1.02)

・肺炎→ハザード比0.81(95%信頼区間0.72~0.92)

 

【感想】

チオトロピウム群で肺炎リスクが小さい事が示唆されているが、これはLABA群では吸入ステロイドとの併用が多かったからではないかとのこと。

LAMAとLABAでは現時点では心血管イベントリスクについては差が認められていない。

デバイスの割合なんかも見てみたいところですね。

 

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②「Impact of Blood Pressure Control on Thromboembolism and Major Hemorrhage in Patients With Nonvalvular Atrial Fibrillation: A Subanalysis of the J‐RHYTHM Registry」

http://jaha.ahajournals.org/content/5/9/e004075.abstract

 

【PECO】

: 心房細動患者(日本、7937人、男性70.8%、平均年齢69.8±10.0歳)

E・C : 血圧の高さで比較

: 大出血、血栓塞栓症

 

【チェック項目】

・研究デザイン  J‐RHYTHM Registry のpost hoc解析

・真のアウトカムか? : 真のアウトカム

・追跡期間 : 2年間またはイベント発生まで追跡

 

【結果】

〇大出血

・高血圧(140/90mmHg)は大出血の独立した危険因子[ハザード比1.52(95%信頼区間1.05~2.21)P=0.027]

・SBP≧136mmHg vs SBP<114mmHg→ハザード比1.61(95%信頼区間1.02~2.53)P=0.041

 

〇血栓塞栓症

・高血圧と血栓塞栓症との関連は見られていない[ハザード比1.05(95%信頼区間0.73~1.52)P=0.787]

・SBP≧136mmHg vs SBP<114mmHg→ハザード比2.88(95%信頼区間1.75~4.74)P<0.001

 

【感想】

心房細動患者ではより血圧管理が重要である事を再確認。

これまでの知見を含めて考えると少なくとも収縮期血圧140mmHg以下は最低限目指すべきところであると考えますが、血圧の低すぎにも注意。

 

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