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【薬局薬剤師の記録的巻物】

EBMの実践のため、論文を読み、記録していきます。

トリプルテラピーの記事はまだ続きますか?

今回も前回・前々回から引き続きトリプルテラピーに関する論文を。

 

①「Use of clopidogrel with or without aspirin in patients taking oral anticoagulant therapy and undergoing percutaneous coronary intervention: an open-label, randomised, controlled trial.」

PMID:23415013

http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/23415013

※抄録のみ

 

[PECO]

: 経口抗凝固薬を服用しているPCIが施行された成人(ベルギーとオランダ、573人)

: クロピドグレルを併用(279人)

: クロピドグレルおよびアスピリンを併用(284人)

: PCI施行後1年以内の出血

 

[チェック項目]

・研究デザイン : ランダム化比較試験

・真のアウトカムか? : 真のアウトカム

・一次アウトカムは明確か? : 明確

・ランダム化が行われているか? : 行われている

・盲検化が行われているか? : オープンラベル(PROBEかは不明)

 

[結果]

E群(19.4%) vs C群(44.4%)→ハザード比0.36(95%信頼区間0.26~0.50)P<0.0001

 

[コメント]

やはり当然のようですがトリプルテラピーと比較すると抗凝固薬+クロピドグレルでは1年という比較的短期間でも出血リスクは低く、二次アウトカムである死亡・心筋梗塞・脳卒中・血行再建術・ステント血栓症の複合アウトカムについても有意なリスクの低下が見られている。[ハザード比0.60(95%信頼区間0.38~0.94)P=0.025]

ただし、オープンラベルでソフトエンドポイントが含まれている点には注意が必要。

 

②「Meta-analysis of randomized controlled trials and adjusted observational results of use of clopidogrel, aspirin, and oral anticoagulants in patients undergoing percutaneous coronary intervention.」

PMID:25799015

http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/25799015

※抄録のみ

 

[PECO]

: 抗凝固薬が処方されているPCI後の患者(2864人)

: DAPT・抗凝固薬+クロピドグレル

: トリプルテラピー

: 大出血

 

[チェック項目]

・研究デザイン : メタ解析

・真のアウトカムか? : 真のアウトカム

・一次アウトカムは明確か? : 明確

 

[結果]

・DAPT vs トリプルテラピー→1年間の研究:オッズ比0.51(95%信頼区間0.39~0.68)I2=60%

・抗凝固薬+クロピドグレル vs トリプルテラピー→オッズ比0.79(95%信頼区間0.64~0.98)

 

※二次アウトカム

〇総死亡・心筋梗塞・脳卒中・ステント血栓症の複合アウトカム

・DAPT vs トリプルテラピー→オッズ比0.71(95%信頼区間0.46~1.08)

・抗凝固薬 vs トリプルテラピー→オッズ比0.90(95%信頼区間0.69~1.23)

 

[コメント]

RCTのみではなく観察データも含まれているため結果の解釈には注意する必要がありますが、これまで同様トリプルテラピーでは一貫して出血リスクが高い。

やはり心房細動を有する心筋梗塞後やPCI施行後のような患者、特に高齢者においてトリプルテラピーは抗凝固薬+抗血小板薬1剤などと比較して出血リスクが高くなることは明らかと言って差し支えはなく、総死亡や脳梗塞・心筋梗塞に対する予防効果については不明である。

 

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