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【薬局薬剤師の記録的巻物】

EBMの実践のため、論文を読み、記録していきます。

NSAIDsと脳血管イベント/ポリファーマシー・FRIDと転倒

今回は抄録しか読めないけど気になった論文を2つほど。

 

①「Non-steroidal anti-inflammatory drugs and risk of cerebrovascular events in patients with osteoarthritis: a nested case-control study.」

PMID:26271463

http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/26271463

 

[PECO]

: 症例→脳血管疾患を発症した患者1566人、対照→マッチングを行った1546人

E・C : NSAIDsを使用していた期間で比較

: 脳血管疾患(虚血性脳卒中/一過性脳虚血発作・出血性脳卒中)

 

[チェック項目]

・研究デザイン : ネステッドケースコントロール研究

・真のアウトカムか? : 真のアウトカム

・暴露の定義 : 発症から過去30日以内まで使用していた例をcurrent、31~365日をrecent、>365日をpastとしている

 

[結果]

pastと比較してcurrentでは脳血管イベントの上昇は見られていない。

ただし、ジクロフェナク・ケトプロフェンでは脳血管イベントとの関連が見られている[オッズ比1.53(95%信頼区間1.04~2.24)、オッズ比1.62(95%信頼区間1.02~2.58)]。

 

[コメント]

交絡への配慮などは抄録からは読み取れないが、ジクロフェナク・ケトプロフェンについて脳卒中の既往があるなどリスクが高いと思われる患者では特に注意すべき。

個人的には高齢者にジクロフェナクの坐剤を使用する例をしばしば目にするが、患者によっては極力代替へ変更されるよう提案したい。

 

②「The consumption of two or more fall risk-increasing drugs rather than polypharmacy is associated with falls.」

PMID:26822931

http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/26822931

 

[PECO]

: 症例→過去1年以内に2回以上の転倒または1回以上の怪我をするような転倒のあった65歳以上の患者、対照→過去1年以内に転倒のなかった65歳以上のボランティア

: ポリファーマシーまたはFRIDの使用あり

: なし

: 転倒

 

ポリファーマシーの定義→5剤以上の薬剤を常用している

FRIDの定義→脳血管疾患予防薬(※降圧薬など)・中枢性神経作用薬・鎮痛薬・内分泌系薬

 

[チェック項目]

・研究デザイン : 観察研究(症例対照研究?)

・真のアウトカムか? : 真のアウトカム

 

[結果]

NSAIDsの使用は転倒リスクの増加と関連が見られた。

ポリファーマシーと2剤以上のFRIDの使用においても転倒との関連が見られたが[オッズ比2.23(95%信頼区間1.39~3.56)P=0.001、オッズ比2.9(95%信頼区間1.9~4.5)P=0.0001]、年齢・性別・併存疾患・血圧・身体機能のスコアで調整したところポリファーマシーでは関連が見られず[オッズ比1.6(95%信頼区間0.9~2.9)P=0.102]、2剤以上のFRIDの使用では転倒との関連が見られた[オッズ比2.8(95%信頼区間1.4~5.3)P=0.001]。

 

[コメント]

以前読んだコホート研究(関連記事)でもポリファーマシーそのものは転倒との関連が見られていなかったが、個人的には多剤併用が行われている高齢者のほとんどにFRIDsが含まれているようにも思う。

いずれにしろポリファーマシーそのものではなく薬剤個別と併存疾患や身体機能などの患者の転倒しやすさを考慮して転倒リスクについて評価する必要がある。

 

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