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【薬局薬剤師の記録的巻物】

EBMの実践のため、論文を読み、記録していきます。

LDL-Cと心血管イベント/オランザピンと化学療法による吐き気/カルベジロールと総死亡

脂質異常症・脂質降下薬

抄録しか読めないものの気になった論文をいくつか。

 

 

①「Association Between Achieved Low-Density Lipoprotein Levels and Major Adverse Cardiac Events in Patients With Stable Ischemic Heart Disease Taking Statin Treatment.」

PMID:27322095

http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/27322095

 

[PECO]

: 30~84歳で虚血性心疾患の既往があり、1年以上スタチンによる治療を続けている患者4.3万人(イスラエル、平均年齢67.3歳、女性27%)

E・C : LDL-C値で比較(≦70mg/dL→低値群、70.1~100.0mg/dL→中間群、100.1~130.1mg/dL)

: 主要な有害心血管イベント(急性心筋梗塞・不安定狭心症・脳卒中・血管形成術・バイパス手術・総死亡)

 

[チェック項目]

・研究デザイン : 人口ベースのコホート研究

・集団の代表制は? : 一般診療のデータベースが用いられており問題はないと思われる

・交絡因子の調整は? : 傾向スコアマッチングが行われている

・追跡期間 : 平均1.6年

 

[結果]

・低値群 vs 中間群→ハザード比1.02(95%信頼区間0.97~1.07)P=0.54

・中間群 vs 高値群→ハザード比0.89(95%信頼区間0.84~0.94)P<0.001

 

[コメント]

低値群と中間群では有意な差は見られておらず、LDL-C値が低いほど良いというわけではない事が示唆されている。

ただし、追跡期間がやや短い点には注意が必要かもしれない。

 

②「Olanzapine for the Prevention of Chemotherapy-Induced Nausea and Vomiting」

N Engl J Med 2016; 375:134-142July 14, 2016DOI: 10.1056/NEJMoa1515725

http://www.nejm.org/doi/abs/10.1056/NEJMoa1515725

 

[PECO]

: シスプラチンまたはシクロフォスファミド・ドキソルビシンによる治療を受けている患者(380人)

: オランザピン10mg

: プラセボ

: 吐き気の予防

 

[チェック項目]

・研究デザイン : ランダム化比較試験(第Ⅲ相試験)

・盲検化されているか? : 二重盲検が行われている

 

[結果]

・化学療法開始から24時間後(化学療法に起因する吐き気なし) : E群(74%) vs C群(45%)→P=0.002

・25~120時間 : E群(42%) vs C群(25%)→P=0.002

・120時間後 : E群(37%) vs C群(22%)→P=0.002

 

[コメント]

オランザピンが化学療法に起因する吐き気の予防に有用であることが示されている。

他の論文についてもまた改めて読んでみたい。

http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/22024310

 

③「Meta-analysis of carvedilol versus beta 1 selective beta-blockers (atenolol, bisoprolol, metoprolol, and nebivolol).」

PMID:23290925

http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/23290925

 

[PECO]

: 急性心筋梗塞または心不全を有する成人

: カルベジロール

: 選択的β1遮断薬(アテノロール・ビソプロロール・メトプロロール・ネビボロール)

O : 総死亡

 

[チェック項目]

・研究デザイン : ランダム化比較試験のメタ解析

 

[結果]

・心不全患者→リスク比0.85(95%信頼区間0.78~0.93)P=0.0006

・急性心筋梗塞患者→fixed-effectsモデル:リスク比0.55(95%信頼区間0.32~0.94)P=0.03、random-effectsモデル:リスク比0.56(95%信頼区間0.26~1.12)P=0.10

 

[コメント]

選択的β1遮断薬と比較してカルベジロールでは心不全患者において総死亡のリスクを減少させることが示唆されている。

こちらも改めて他の文献について調べる必要がある。