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【薬局薬剤師の記録的巻物】

EBMの実践のため、論文を読み、記録していきます。

CKD患者ではスタチンとエゼチミブを併用してLDLコレステロール値を下げた方が良いですか?

脂質異常症・脂質降下薬

「The effects of lowering LDL cholesterol with simvastatin plus ezetimibe in patients with chronic kidney disease (Study of Heart and Renal Protection): a randomised placebo-controlled trial.」

PMID:21663949

http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/21663949

 

PECO

:  40歳以上で冠動脈疾患の既往がない、血清クレアチニンが男性では1.7mg/dL、女性では1.5mg/dL以上である中等度~重度のCKD患者(18ヶ国9270人、平均年齢61歳・男性63%・平均血圧139/79mmHg/・平均BMI27.1kg/㎡)

: シンバスタチン20mg/日+エゼチミブ10mg/日(4650人)

: プラセボ(4620人)

: 主要なアテローム性動脈硬化イベント(非致死的心筋梗塞または冠動脈死亡・虚血性脳卒中・血行再建術)

 

チェック項目

・研究デザイン : ランダム化比較試験

・真のアウトカムか? : 真のアウトカム

・一次アウトカムは明確か? : 明確

・ランダム化が行われているか? : 行われている

・盲検化が行われているか? : 二重盲検が行われている

ITT解析が行われているか? : 行われている

・追跡率 : 100%

・サンプルサイズ : 9400人(パワー88%)

・患者背景 : ほぼ同等

・追跡期間中央値 : 4.9年

 

結果

E群(11.3%) vs C群(13.4%)→リスク比0.83(95%信頼区間0.74~0.94)P=0.0021、NNT=48人

 

※複合アウトカムの各要素

・心筋梗塞または冠動脈死亡

E群(4.6%) vs C群(5.0%)→リスク比0.92(95%信頼区間0.76~1.11)P=0.37 

 

・虚血性脳卒中

E群(2.8%) vs C群(3.8%)→リスク比0.75(95%信頼区間0.60~0.94)P=0.01、NNT=100人

 

・血行再建術

E群(6.1%) vs C群(7.6%)→リスク比0.79(95%信頼区間0.68~0.93)P=0.0036、NNT=67人

 

※二次アウトカム

・総死亡

E群(24.%) vs C群(24.1%)→リスク比1.02(95%信頼区間0.94~1.11)P=0.63

 

感想

一次アウトカムについては有意にリスクを減少させていますが、複合アウトカムの各要素を見てみると心筋梗塞または冠動脈死亡の冠動脈イベントについては有意な差は見られず、虚血性脳卒中と血行再建術では有意な差は見られているもののイベントの発生数が虚血性脳卒中と比べて血行再建術が倍近く多く、二重盲検が行われているもののLDL-c値の変化によってどうしても盲検化が解けてしまうという問題がありますが、そういった中でソフトエンドポイントが複合アウトカムの結果を引っ張ったという点については注意が必要かと思います。

少なくとも、CKDの患者にスタチン+エゼミチブの併用が推奨されるというような結果ではないものと考えます。

 

Figure 1を見ると初めはシンバスタチン+エゼミチブ・シンバスタチン単独・プラセボの3群にランダム化され、1年後のシンバスタチン単独群はランダムに併用群・プラセボ群に割り付けられており、Figure 2を見ると1年後から急にイベントの発生が増えている点も気になります。

早々に結論することはできませんが、シンバスタチンを中止した影響なのでしょうか?

 

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