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【薬局薬剤師の記録的巻物】

EBMの実践のため、論文を読み、記録していきます。

アルファカルシドールよりエルデカルシトールの方が骨折を予防する効果がありますか?

骨粗しょう症

今回はツイキャス抄読会で読んだ論文の復習を。

ツイキャスライブ履歴→ エルデカルシトール vs アルファカルシドール - TwitCasting

 

 

「A new active vitamin D3 analog, eldecalcitol, prevents the risk of osteoporotic fractures--a randomized, active comparator, double-blind study.」

PMID:21784190

http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/21784190

 

PECO

: 46~92歳の日本人(女性1030人・男性24人・平均年齢72.1歳)

: エルデカルシトール0.75μg/日(528人)

: アルファカルシドール1.0μg/日(526人)

: 椎体骨折

 

チェック項目

・研究デザイン : ランダム化比較試験

・真のアウトカムか? : 真のアウトカム

・一次アウトカムは明確か? : 明確

・ランダム化されているか? : されている

・盲検化されているか? : 二重盲検されている

・ITT解析されているか? : FAS解析されている

・追跡率 : 96.5%

・追跡期間 : 3年間

・患者背景 : 気になるような偏りは見られない

 

結果

E群(13.4%) vs C群(17.5%)→ハザード比0.74(90%信頼区間0.56~0.97)、NNT=25人

 

※二次アウトカム

・椎体以外の骨折

E群(8.0%) vs C群(9.5%)→ハザード比0.85(95%信頼区間0.55~1.31)

 

※有害事象

・尿中Ca増加→リスク比1.64(95%信頼区間1.28~2.10)

・血清Ca増加→リスク比1.56(95%信頼区間1.19~2.04)

 

感想

疑惑の90%信頼区間です。

zuratomo先生から教えていただいた「骨粗鬆症薬の臨床評価方法に関するガイドライン」(https://www.pmda.go.jp/files/000206214.pdf )には「当分の間、骨折発生頻度の対照群との差について 90%信頼区間を構成して効果の大きさを論じることでよいこととする。」と記載されてありますが、イマイチその根拠が明確ではなく、95%信頼区間では有意な差は見られないように思われる(計算はしておりませんが...)点についてはやはり引っかかり、アルファカルシドールと比較して骨折予防に関してあまり大きな期待はできないのかもしれないというように感じます。

 

post-hoc解析(PMID:23575909  http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/23575909 )では骨粗鬆症性の骨折について有意にリスクを減少させているものの、やはりあくまでも仮説として考えておいた方が良いだろうと思います。

 

エルデカルシトールの骨折予防効果について明確ではない部分が浮き彫りになった印象ですが、コメントをいただいたように腎機能が低下している患者ではVDが活性化されず骨が脆くなるといった事が考えられるため活性型VD3製剤が有用である場合があるかもしれないといった点や、尿路結石が増悪する可能性も考えられるため尿路結石がある患者やリスクが高いと考えられる患者では控えるべきかもしれないという事が考えられ、やはり対象を絞るという事が重要なのかなと思いました。やはりあくまでも仮説の段階ですのでそちらについても改めて調べる必要がありますが。

 

前回のメタ解析も踏まえ普段来局される患者さんを想像して考えると、「出来ることなら薬を減らしたい」というような訴えがあった場合には食事や運動または日光への暴露等を考慮した上で、中止を検討する余地は十分にあるなと改めて思いました。

 

ちなみに欧米と比較すると日本では骨粗鬆症の発生率はかなり低いようですが、魚なんかにVDが多く含まれているためVDの摂取量の違いが影響しているのでしょうかね?どうなんでしょうかね?

 

それにしてもzuratomo先生すげえなと思い知りましたね、どうもありがとうございました。