読者です 読者をやめる 読者になる 読者になる

【薬局薬剤師の記録的巻物】

EBMの実践のため、論文を読み、記録していきます。

厳格な血糖コントロールの影響は地域によって違いがありますか?

糖尿病・血糖降下薬

今回は前回の続きのようなものを

 
「Effect of Intensive Versus Standard Blood Glucose Control in Patients With Type 2 Diabetes Mellitus in Different Regions of the World: Systematic Review and Meta-analysis of Randomized Controlled Trials.」
PMID: 25944874 
 

PECO

P : 北アメリカとその他の国における18歳以上の2型糖尿病患者(34967人)
E : 厳格な血糖コントロール
C : 標準的な治療
O : 総死亡
 

チェック項目

・研究デザイン : システマティックレビュー&メタ解析
・真のアウトカムか? : 真のアウトカム
・一次アウトカムは明確か? : 明確
・評価者バイアス : 「Two authors reviewed the identified publications for eligibility and extracted data independently.」と記載されている。
・出版バイアス : Funnel plotを用いて検討されており、「No evidence of publication bias was observed」と記載されている。視覚的にも対称。
・元論文バイアス : 全てRCT。「Results limited to trials with low risk of bias were also consistent with our primary analysis」と記載されており、Table3を見ても大きな問題はないように思われる
・異質性バイアス : 「We considered I2<25% as low heterogeneity and I2>75% as high」と記載されている。
・平均追跡期間 : 北アメリカ 5.1年・その他 4.1年
・患者背景 : 平均糖尿病罹患期間→北アメリカ 5.2年・その他 5.1年、平均HbA1c→北アメリカ 10.6%・その他 8.1%、平均HbA1c低下→北アメリカ 2.20%・その他 0.83%、平均年齢→北アメリカ 57.1歳・その他 56.6歳、男性→北アメリカ 56.9%・その他 57.4%
 

結果

[総死亡]
・北アメリカ→オッズ比1.21(95%信頼区間1.05~1.40) 異質性:P=0.55,I2=0%
・その他→オッズ比0.93(95%信頼区間0.85~1.03) 異質性:P=0.96,I2=0%
・全ての国→オッズ比1.03(95%信頼区間0.93~1.13) 異質性:P=0.25,I2=20%
 
※二次アウトカム
[心血管死亡]
・北アメリカ→オッズ比1.41(95%信頼区間1.05~1.90) 異質性:P=0.18,I2=36%
・その他→オッズ比0.89(95%信頼区間0.79~1.00) 異質性:P=0.88,I2=0%
・全ての国→オッズ比1.09(95%信頼区間0.90~1.32) 異質性:P=0.02,I2=53%
 

感想

面白い研究ですが人種差や地域差というよりは北アメリカ人の方がHbA1cの低下度が大きく、より厳格な血糖降下治療を行った結果であると考えた方が自然なように思います。
 
各試験をざっくり見るとHbA1c<6%を目指すような治療ではやはり死亡リスクが増加する可能性があり、<7%を目指すような治療では死亡をアウトカムとした場合にそのベネフィットは不明確であるという、これまでの知見との間で大きな違いは生まないものと思います。
 
 
関連記事