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【薬局薬剤師の記録的巻物】

EBMの実践のため、論文を読み、記録していきます。

DAPTにオメプラゾールを併用しても大丈夫ですか?

今回は以前宿題にしていたCOGENT試験を読んでみたいと思いましす。



「Clopidogrel with or without omeprazole in coronary artery disease.」
PMID: 20925534

PECO

P : 21歳以上の急性冠症候群又は冠動脈ステントが施行され、12ヶ月以上クロピドグレルとアスピリンの併用療法が予想される患者(3873人、15ヶ国393施設)
E : オメプラゾール20mg/日の併用(1876人)
C : プラセボ(1885人)
O : 消化管イベント(上部消化管出血・症候性胃腸十二指腸潰瘍・胃腸閉塞・穿孔等の複合エンドポイント)、心血管イベント(心血管死亡・心筋梗塞・冠血行再建術・虚血性脳卒中の複合エンドポイント)

チェック項目

・研究デザイン : ランダム化比較試験
・真のアウトカムか? : 真のアウトカム
・一次アウトカムは明確か? : 明確
・ランダム化が行われているか? : 層別ランダム化が行われている
・盲検化が行われているか? : 二重盲検が行われている
・ITT解析が行われているか? : 行われている
・追跡率 : 99.7%
・サンプルサイズ : 5000人(パワー90%)
・患者背景 : 気になるような偏りは見られない
・追跡期間中央値 : 106日(スポンサーの事情により早期中止)

結果

・消化管イベント : E群(1.1%) vs C群(2.9%)→ハザード比0.34(95%信頼区間0.18~0.63)P<0.001
※複合エンドポイントの各要素でも有意な減少が見られている

・心血管イベント : E群(4.9%) vs C群(5.7%)→ハザード比0.99(95%信頼区間0.68~1.44)P=0.96

感想

主導していた会社が倒産してしまったため試験が途中で中止されたようで中間解析による早期終了等ではなく、イベント数も少ないため消化管イベントの減少については過大評価されている可能性があり、心血管イベントについてはサンプル数の不足によるβエラーの可能性があると考えられるため結果の解釈には注意が必要です。


低用量アスピリン使用時のPPIの併用に対するベネフィットは複数の論文で報告されており、DAPTが行われている患者についてもH2ブロッカーと比較して上部消化管出血の有意な減少が報告されているため(PMID: 22108447 http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/22108447 )、PPIによる一定のベネフィットは期待できるように思います。


オメプラゾールによるクロピドグレルの効果減弱に関しては大きなリスクはないようにも思いますがこの論文のみでは否定することは出来ず、また改めて調べてみようと思います。