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【薬局薬剤師の記録的巻物】

EBMの実践のため、論文を読み、記録していきます。

NOACは出血に差がありますか?

「Comparison of the Novel Oral Anticoagulants Apixaban, Dabigatran, Edoxaban, and Rivaroxaban in the Initial and Long-Term Treatment and Prevention of Venous Thromboembolism: Systematic Review and Network Meta-Analysis.」

PMID: 26716830
 

PECO

P : 深部静脈血栓症及び肺塞栓症のどちらか又は両方が確認された18歳以上の成人
E・C : アピキサバン・ダビガトラン・リバーロキサバン・エドキサバン・ワルファリンを比較
O : 静脈血栓塞栓症の発生及び静脈血栓塞栓症関連死亡・大出血・大出血ではないが臨床的に問題になる出血(CRNM bleeding)・大出血又はCRNM bleeding・総死亡
 

チェック項目

・研究デザイン : システマティックレビュー&ネットワークメタ解析
・真のアウトカムか? : 真のアウトカム
・一次アウトカムは明確か? : 複合設定されている
・評価者バイアス : 2人のレビューワーが独立して評価している
・出版バイアス : 英語で出版された文献のみが含まれている
・元論文バイアス : 全てRCT、「All studies were judged to be of good quality (S1 Table)」と記載されており、S1 Tableを見ても大きな問題はないように思われる
・異質性バイアス : 検討されていない
・追跡期間 : 3~12ヶ月
 

結果

[アピキサバン vs ビタミンK拮抗薬]
・静脈血栓塞栓症及び静脈血栓塞栓症関連死亡→相対リスク0.83(95%信頼区間0.59~1.18)
・大出血又はCRNM bleeding→相対リスク0.44(95%信頼区間0.35~0.55)
・大出血→相対リスク0.30(95%信頼区間0.16~0.53)
・CRNM bleeding→相対リスク0.48(95%信頼区間0.38~0.60)
・総死亡→相対リスク0.79(95%信頼区間0.52~1.19)
 
[アピキサバン vs リバーロキサバン]
・静脈血栓塞栓症及び静脈血栓塞栓症関連死亡→相対リスク0.93(95%信頼区間0.59~1.46)
・大出血又はCRNM bleeding→相対リスク0.47(95%信頼区間0.36~0.61)
・大出血→相対リスク0.55(95%信頼区間0.27~1.09)
・CRNM bleeding→相対リスク0.47(95%信頼区間0.36~0.62)
・総死亡→相対リスク0.82(95%信頼区間0.50~1.34)
 
[アピキサバン vs ダビガトラン]
・静脈血栓塞栓症及び静脈血栓栓症関連死亡→相対リスク0.76(95%信頼区間0.47~1.27)
・大出血又はCRNM bleeding→相対リスク0.69(95%信頼区間0.51~0.94)
・大出血→相対リスク0.40(95%信頼区間0.19~0.81)
・CRNM bleeding→相対リスク0.80(95%信頼区間0.57~1.12)
・総死亡→相対リスク0.79(95%信頼区間0.44~1.41)
 
[アピキサバン vs エドキサバン]
・静脈血栓塞栓症及び静脈血栓塞栓症関連死亡→相対リスク1.01(95%信頼区間0.63~1.63)
・大出血又はCRNM bleeding→相対リスク0.54(95%信頼区間0.41~0.69)
・大出血→相対リスク0.36(95%信頼区間0.18~0.69)
・CRNM bleeding→相対リスク0.59(95%信頼区間0.45~0.78)
・総死亡→相対リスク0.75(95%信頼区間0.47~1.21)
 
[リバーロキサバン vs ビタミンK拮抗薬]
・静脈血栓塞栓症及び静脈血栓塞栓症関連死亡→相対リスク0.90(95%信頼区間0.67~1.20)
・大出血又はCRNM bleeding→相対リスク0.94(95%信頼区間0.82~1.07)
・大出血→相対リスク0.55(95%信頼区間0.37~0.81)
・CRNM bleeding→相対リスク1.02(95%信頼区間0.88~1.18)
・総死亡→相対リスク0.96(95%信頼区間0.73~1.27)
 
[リバーロキサバン vs ダビガトラン]
・静脈血栓塞栓症及び静脈血栓塞栓症関連死亡→相対リスク0.82(95%信頼区間0.52~1.31)
・大出血又はCRNM bleeding→相対リスク1.48(95%信頼区間1.15~1.89)
・大出血→相対リスク0.73(95%信頼区間0.40~1.31)
・CRNM bleeding→相対リスク1.70(95%信頼区間1.28~2.25)
・総死亡→相対リスク0.96(95%信頼区間0.59~1.58)
 
[リバーロキサバン vs エドキサバン]
・静脈血栓塞栓症及び静脈血栓塞栓症関連死亡→相対リスク1.09(95%信頼区間0.71~1.69)
・大出血又はCRNM bleeding→相対リスク1.14(95%信頼区間0.94~1.38)
・大出血→相対リスク0.65(95%信頼区間0.38~1.09)
・CRNM bleeding→相対リスク1.26(95%信頼区間1.03~1.55)
・総死亡→相対リスク0.92(95%信頼区間0.64~1.33)
 
[ダビガトラン vs ビタミンK拮抗薬]
・静脈血栓塞栓症及び静脈血栓塞栓症関連死亡→相対リスク1.09(95%信頼区間0.76~1.57)
・大出血又はCRNM bleeding→相対リスク0.64(95%信頼区間0.51~0.78)
・大出血→相対リスク0.76(95%信頼区間0.48~1.17)
・CRNM bleeding→相対リスク0.60(95%信頼区間0.47~0.76)
・総死亡→相対リスク1.00(95%症状0.66~1.50)
 
[ダビガトラン vs エドキサバン]
・静脈血栓塞栓症及び静脈血栓塞栓症関連死亡→相対リスク1.32(95%信頼区間0.81~2.16)
・大出血又はCRNM bleeding→相対リスク0.77(95%信頼区間0.60~0.99)
・大出血→相対リスク0.89(95%信頼区間0.51~1.57)
・CRNM bleeding→相対リスク0.74(95%信頼区間0.56~0.98)
・総死亡→相対リスク0.95(95%信頼区間0.59~1.52)
 
[エドキサバン vs ビタミンK拮抗薬]
・静脈血栓塞栓症及び静脈血栓塞栓症関連死亡→相対リスク0.83(95%信頼区間0.60~1.14)
・大出血又はCRNM bleeding→相対リスク0.82(95%信頼区間0.72~0.95)
・大出血→相対リスク0.85(95%信頼区間0.59~1.21)
・CRNM bleeding→相対リスク0.81(95%信頼区間0.70~0.94)
・総死亡→相対リスク1.05(95%信頼区間0.82~1.34)
 

感想

静脈血栓塞栓症や死亡については有意な差は見られず(アピキサバンで減少傾向)、出血に関してはアピキサバンはリスクが低く、リバーロキサバンは他のNOACと比較すると大出血以外の出血(消化管出血?)リスクが高いという結果になっており、他のNOACで出血症状が見られた場合にアピキサバンへの変更というのも考えられるのかなという印象です。
 
ただしアウトカムが複数設定されている点に注意が必要であり、またネットワークメタ解析としての妥当性についても正直なところ判断しかねるところです。
そもそもNOAC同士で直接比較したRCTがないためネットワークメタ解析が行われているのだと思いますが、まずはまた後程解析に含まれているランダム化比較試験を読んでみる必要がありそうです。
 
 
ネットワークメタ解析のチェックするポイントについても改めて調べる必要がありますね。まあ今後の課題ということで。
 
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