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【薬局薬剤師の記録的巻物】

EBMの実践のため、論文を読み、記録していきます。

フルチカゾン+サルメテロール vs フルチカゾン単独!!

「Serious Asthma Events with Fluticasone plus Salmeterol versus Fluticasone Alone」

David A. Stempel, M.D., Ibrahim H. Raphiou, Ph.D., Kenneth M. Kral, M.S., Anne M. Yeakey, M.D., Amanda H. Emmett, M.S., Charlene M. Prazma, Ph.D., Kathleen S. Buaron, B.S.N., and Steven J. Pascoe, M.B., B.S., for the AUSTRI Investigators*
March 6, 2016DOI: 10.1056/NEJMoa1511049
 
 

PECO

P : 12歳以上で中等度~重度の喘息患者(33ヶ国、11679人)
E : フルチカゾン+サルメテロール(5834人)
C : フルチカゾン単独(5845人) 
O : 安全性→重篤な喘息関連イベントの初発(死亡・気管内挿管・入院の複合エンドポイント)、有効性→重度の喘息憎悪の初発(3日間以上全身性ステロイドを使用又は喘息関連の入院又は救急受診により全身性ステロイドを使用)
 

チェック項目

・研究デザイン : ランダム化比較試験(非劣性試験)
・真のアウトカムか? : 真のアウトカム
・一次アウトカムは明確か? : 明確
・ランダム化が行われているか? : 層別ランダム化が行われている
・盲検化が行われているか? : 二重盲検が行われている
・ITT解析が行われているか? : 一次アウトカムではITT解析のみが行われている
・脱落者 : 17.2%
・追跡期間 : 26週
・サンプルサイズ : 11664人(パワー90%)
・患者背景 : ほぼ同等。女性:E群66%・C群67%、平均年齢:E群43.4±17.45・C群43.4±17.28。
 

結果

・重篤な喘息関連イベント
※非劣性マージンは95%信頼区間上限2.0
E群(0.59%) vs C群(0.56%)→ハザード比1.03(95%信頼区間0.64~1.66)
 
・重度の喘息憎悪
E群(8%) vs C群(10%)→ハザード比0.79(95%信頼区間0.70~0.89)P<0.001、NNT=50
 

感想

これまでLABAは喘息関連死亡との関連や喘息関連有害事象について増加する傾向にあることが示唆されていましたが(http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/20176343
http://ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/23744625)、この非劣性試験ではフルチカゾンとサルメテロールの併用がフルチカゾン単独と比較して劣っていない事が示されています。
また、喘息憎悪に関しては有意にリスクを下げています。
 
ただ、安全性の評価で差が出づらいITT解析が行われている点・非劣性マージンは本当に妥当なのか?という点・脱落者が比較的多い点についてやや「怪しいな」と感じ、この結果を以てフルチカゾン+サルメテロールを積極的に使うべきだという結論には至らないかなという印象を受けました。