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【薬局薬剤師の記録的巻物】

EBMの実践のため、論文を読み、記録していきます。

利尿薬は認知症の予防をして、糖尿病スクリーニングで長生きできて、ダパグリフロジンはMACEのリスクを下げる事ができますが?

今回は気になった論文をいくつか。

 
①「Diuretic antihypertensive drugs and incident dementia risk: a systematic review, meta-analysis and meta-regression of prospective studies.」
PMID: 26895767
 ※抄録のみ

[PECO]
P : 認知症のない成人(52599人・年齢中央値76.1歳)
E : 降圧利尿薬の使用
C : 利尿薬の使用なし・他の降圧薬の使用又は降圧薬の使用なし・プラセボ
O : 認知症の発症
 
[チェック項目]
・研究デザイン : 観察研究及びランダム化比較試験のメタ解析
・真のアウトカムか? : 真のアウトカム
・追跡期間中央値 : 6.1年
 
[結果]
・認知症→ハザード比0.83(95%信頼区間0.76~0.91)P < 0.0001・I 2= 0%
・アルツハイマー病→ハザード比0.82(95%信頼区間0.71~0.94)P = 0.004・I2 = 0%
 
K保持性利尿薬・チアジド系利尿薬・ループ系利尿薬間では差は見られない
 
[感想]
利尿薬が認知症・アルツハイマー病のリスクを低下させる事が示唆されていますが、例えば2型糖尿病の罹患が認知機能低下と関連する事が示唆されていますが糖尿病を有する高血圧患者が利尿薬を服用する事で認知症の予防ができるのだろうか?など興味深いため今後追っていきたいテーマです。
 
 
 
②「Mortality and cardiovascular disease outcomes among 740 patients with new-onset Type 2 diabetes detected by screening or clinically diagnosed in general practice.」
PMID: 26516107
※抄録のみ

[PECO]
P : 35~79歳の2型糖尿病患者(スウェーデン)
E : 糖尿病スクリーニングにより糖尿病と診断
C : 通常の診療にて糖尿病と診断
O : 総死亡・心血管疾患・心筋梗塞・脳卒中
 
[チェック項目]
・研究デザイン : 観察研究
・真のアウトカムか? : 真のアウトカム
・交絡因子の調整は? : 傾向スコアマッチングが行われている
・平均追跡期間 : 12.9年
 
[結果]
・総死亡→ハザード比0.99(P=0.89)
・心血管疾患→ハザード比1.17(P=0.10)
・心筋梗塞→ハザード比1.08(P=0.49)
・脳卒中→ハザード比1.03(P=0.83)
 
[感想]
10年以上の観察でも糖尿病スクリーニングによる死亡やその他の転帰の改善は見られず、「やはり」という感じです。
 
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③「Cardiovascular effects of dapagliflozin in patients with type 2 diabetes and different risk categories: a meta-analysis.」
PMID: 26895767 
 
[PECO]
P : 2型糖尿病患者9339人
E : ダパフリグロジン2.5~10mg/日
C : プラセボ又はその他の血糖降下薬
O : MACE(心血管疾患死亡・心筋梗塞・脳卒中)・不安定狭心症
 
[チェック項目]
・研究デザイン : 第2b/3相試験のメタ解析
・真のアウトカムか? : 真のアウトカム
・一次アウトカムは明確か? : 明確
・追跡期間 : 第2b相試験→12~24週、第3相試験→208週
 
[結果]
①MACE+不安定狭心症→ハザード比0.787(95%信頼区間0.579~1.070)
※心血管疾患の既往あり→ハザード比0.806(95%信頼区間0.562~1.156)
心血管リスクの高い高齢者→ハザード比0.824(95%信頼区間0.497~1.365)
 
②MACEのみ→ハザード比0.772(95%信頼区間0.543~1.097)
※心血管疾患の既往あり→ハザード比0.802(95%信頼区間0.527~1.221)
心血管リスクの高い高齢者→ハザード比0.916(95%信頼区間0.512~1.640)
 
[感想]
ひとまずダパグリフロジンによるMACEのリスク低下は見られていません。死亡や臨床転帰に対する効果がわかるのはDECLARE-TIMI58試験の結果が出てからという事になるかと思いますが、まだまだ先の話しなんですよね、待ち遠しい。
 
やはりエンパグリフロジンと同様にサブグループ解析では心不全による入院についてはリスクの低下が見られているようです。