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【薬局薬剤師の記録的巻物】

EBMの実践のため、論文を読み、記録していきます。

ポリファーマシによって転倒リスクは増加しますか?

「Polypharmacy including falls risk-increasing medications and subsequent falls in community-dwelling middle-aged and older adults.」

PMID: 25313240
 

PECO

P : 50歳以上のアイルランド人、6666人(平均年齢63.9歳)
E : ポリファーマシー(>4剤)あり(又は薬剤の種類によって比較)
C : ポリファーマシーなし
O : 全ての転倒・転倒回数・転倒による傷害
 

チェック項目

・研究デザイン : コホート研究
・真のアウトカムか? : 真のアウトカム
・調整された交絡因子は? : 年齢・性別・同居人・教育・仕事・収入・喫煙・インタビューの期間・併存疾患・失禁・痛み・睡眠・うつ症状・認知機能・主観的な健康度・身体障害・国民皆保険・過去の転倒・骨折・気絶・入院
・集団の代表性は? : アイルランド全国各地域の一般人が対象となっており、大きな問題はないと思われる
・平均追跡期間 : 24.3ヶ月
 

結果

[ポリファーマシー](1140人)
・全ての転倒→調整相対リスク1.01(95%信頼区間0.90–1.14)
・転倒の回数→調整相対リスク1.10(95%信頼区間0.93–1.30)
・転倒による傷害→調整相対リスク1.02(95%信頼区間0.84–1.24)
 
[降圧薬](2112人)
・全ての転倒→調整相対リスク0.91(95%信頼区間0.81–1.02)
・転倒の回数→調整相対リスク0.92(95%信頼区間0.78–1.08)
・転倒による傷害→調整相対リスク0.89(95%信頼区間0.73–1.07)
 
[利尿薬](538人)
・全ての転倒→調整相対リスク1.06(95%信頼区間0.92–1.23)
・転倒の回数→調整相対リスク1.07(95%信頼区間0.87–1.31)
・転倒による傷害→調整相対リスク0.96(95%信頼区間0.75–1.23)
 
[抗精神病薬](81人)
・全ての転倒→調整相対リスク0.71(95%信頼区間0.49–1.02)
・転倒の回数→調整相対リスク0.58(95%信頼区間0.34–1.01)
・転倒による傷害→調整相対リスク0.88(95%信頼区間0.51–1.47)
 
[ベンゾジアゼピン系薬](366人)
・全ての転倒→調整相対リスク1.14(95%信頼区間0.98–1.34)
・転倒の回数→調整相対リスク1.32(95%信頼区間1.05–1.65)
・転倒による傷害→調整相対リスク1.24(95%,信頼区間0.97–1.58)
 
[抗うつ薬](422人)
・全ての転倒→調整相対リスク1.16(95%信頼区間0.99–1.35)
・転倒の回数→調整相対リスク1.28(95%信頼区間1.03–1.60)
・転倒による傷害→調整相対リスク1.37(95%信頼区間1.06–1.75)
 
[ベンゾジアゼピン系薬の使用なし、ポリファーマシーあり](932人)
・全ての転倒→調整相対リスク1.00(95%信頼区間0.88–1.14)
・転倒の回数→調整相対リスク1.09(95%信頼区間0.91–1.30)
・転倒による傷害→調整相対リスク0.91(95%信頼区間0.73–1.13)
 
[ベンゾジアゼピン系薬の使用あり、ポリファーマシーなし](158人)
・全ての転倒→調整相対リスク1.22(95%信頼区間0.96–1.55)
・転倒の回数→調整相対リスク1.43(95%信頼区間1.03–1.99)
・転倒による傷害→調整相対リスク0.84(95%信頼区間0.53–1.35)
 
[ベンゾジアゼピン系薬の使用あり、ポリファーマシーあり](208人)
・全ての転倒→調整相対リスク1.11(95%信頼区間0.91–1.35)
・転倒の回数→調整相対リスク1.30(95%信頼区間0.97–1.75)
・転倒による傷害→調整相対リスク1.40(95%信頼区間1.04–1.87)
 
[抗うつ薬の使用なし、ポリファーマシーなし](949人)
・全ての転倒→調整相対リスク0.95(95%信頼区間0.83–1.08)
・転倒の回数→調整相対リスク0.99(95%信頼区間0.82–1.18)
・転倒による傷害→調整相対リスク0.92(95%信頼区間0.74–1.14)
 
[抗うつ薬の使用あり、ポリファーマシーなし](231人)
・全ての転倒→調整相対リスク0.98(95%信頼区間0.78–1.24)
・転倒の回数→調整相対リスク0.97(95%信頼区間0.71–1.32)
・転倒による傷害→調整相対リスク1.13(95%信頼区間0.79–1.63)
 
[抗うつ薬の使用あり、ポリファーマシーあり](191人)
・全ての転倒→調整相対リスク1.28(95%信頼区間1.06–1.54)
・転倒の回数→調整相対リスク1.60(95%信頼区間1.19–2.15)
・転倒による傷害→調整相対リスク1.51(95%信頼区間1.10–2.07)
 

感想

ポリファーマシーそのものには転倒リスクとの関連は見られていない。ベンゾジアゼピン系薬や抗うつ薬が含まれている場合にはやはり注意が必要。
 
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