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【薬局薬剤師の記録的巻物】

EBMの実践のため、論文を読み、記録していきます。

オセルタミビルはインフルエンザにどれくらい効果がありますか?

インフルエンザ

この話題は度々目にすることはあったのですが、自分で読んだことはなかったため、今回はこちらの論文を読んでみたいと思います。

 
 
「Oseltamivir treatment for influenza in adults: a meta-analysis of randomised controlled trials.」
PMID: 25640810
 

PECO

P : 発熱を伴う悪心の発生から36時間以内で、呼吸器症状(咳・咽頭痛・鼻水のうち1つ以上)及び身体症状(頭痛・筋肉痛・発汗・悪寒・疲労のうち1つ以上)のインフルエンザ症状を有する成人4328人
E : オセルタミビル75mgを1日2回投与
C : プラセボを1日2回投与
O : 症状(鼻閉・咽頭痛・咳・痛み・疲労・頭痛・悪寒・発汗)緩和までの時間
 

チェック項目

・研究デザイン : Roche社の提供するRCT9試験のメタ解析
・真のアウトカムか? : 真のアウトカムと言える
・一次アウトカムは明確か? : 明確
・評価者バイアス : 特に記載なし
・出版バイアス : 「未発表の試験もふくまれているため出版バイアスに関しては克服している」というように記載されている
・元論文バイアス : 全てプラセボ対照二重盲検が行われているRCTであり、ITT解析が行われている
・異質性バイアス : 視覚的にブロボグラムの方向性は比較的一致している
・追跡期間 : 21日
 

結果

①Intention-to-treat population
・time ratio0.85(95%信頼区間0.80~0.90)P<0.0001  異質性:P=0.46  →症状緩和までの時間を15%短縮
・症状緩和までの時間(中央値)の差は–17.8時間(95%信頼区間–27.1~–9.3)
 
②Intention-totreat infected population(インフルエンザ確定例のみ)
・time ratio0.79(95%信頼区間0.74~0.85)P<0.0001  異質性:P=0.31  →症状緩和までの時間を21%短縮
・症状緩和までの時間(中央値)の差は–25.2時間(95%信頼区間–36.2~–16.0)
 
※サブグループ解析
・下気道感染合併症
①intention-to-treat population→リスク比0.62(95%信頼区間0.49~0.79)異質性:P=0.42
②intention-to-treat infected population→リスク比0.56(95%信頼区間0.42~075)異質性:P=0.58
 
・入院
①intention-to-treat population→リスク比0.61(95%信頼区間0.36~1.03)異質性:P=1.00
②intention-to-treat infected population→リスク比0.37(95%信頼区間0.17~0.81)異質性:P=0.97
 
・全ての有害事象→リスク比0.97(95%信頼区間0.91~1.04)P=0.41
 
・精神疾患→リスク比0.62(95%信頼区間0.26~1.45)P=0.27
 
・神経疾患→リスク比1.00(95%信頼区間0.76~1.30)P=0.97
 

感想

オセルタミビルはインフルエンザの症状緩和までの時間を17.8時間短縮させる事が示唆されている。
サブグループ解析では下気道感染症の合併症のリスクを低下させることが示唆されており、肺炎リスクが高い患者については特に有用であるかもしれない。
同じくサブグループ解析にて65歳以上の高齢者ではtime ratioで有意な差は見られていない点が気になるが、症例数が少ないためβエラーの可能性があるかも?