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【薬局薬剤師の記録的巻物】

EBMの実践のため、論文を読み、記録していきます。

妊娠している女性がカフェインを摂るとどれくらい赤ちゃんへ影響がありますか?

生活習慣

今回はまさかの第五弾目ですが、妊娠中の女性が摂取するカフェインの子供への影響を見ていきたいと思います。

 
〇低出生体重児
①「Maternal Caffeine Consumption during Pregnancy and Risk of Low Birth Weight: A Dose-Response Meta-Analysis of Observational Studies.」
PMID: 26193706
 
[PECO]
P : 妊娠中の女性4499人
E : カフェインの高用量摂取
C : 低用量摂取
O : 低出生体重児(2500g未満)の出産
 
[チェック項目]
・研究デザイン : 観察研究のメタ解析
・一次アウトカムは明確か? : 明確
・評価者バイアス : 「Five blinded investigators (JR, RK, YK, MT, and YL) independently reviewed」と記載されている
・出版バイアス : Funnel plot及びEgger’s testsを用いて検討されており、「there was no significant evidence of publication bias」と記載されている
・元論文バイアス : 観察研究のメタ解析
・異質性バイアス : 視覚的にはブロボグラムの方向性は一致していないように見える
 
[結果]
・高用量 vs 低用量→オッズ比1.38(95%信頼区間1.10~1.73)  異質性:I2=54.7%、P=0.012
カフェイン100mg/日(コーヒー1杯/日又は紅茶1杯/日)摂取ごとのリスクはオッズ比1.03(95%信頼区間1.01~1.05)
 
異質性がやや高めのため注意が必要かもしれない。ちなみにコホート研究のみの解析では[オッズ比1.43(95%信頼区間1.14~1.79)I2=49.1%・P=0.056]、ケースコントロール研究のみの解析では[オッズ比1.30(95%信頼区間0.66~2.60)I2=62%・P=0.048]となっている。
 
 
 
②「Maternal caffeine intake during pregnancy is associated with risk of low birth weight: a systematic review and dose-response meta-analysis.」
PMID: 25238871
 
[PECO] 
P : 妊娠中の女性(90747人)
E : カフェインの摂取が低用量(50~149mg/日)・中用量(150~349mg/日)・高用量(≧350mg/日)
C : 摂取なし
O : 低出生体重児の出産
 
[チェック項目]
・研究デザイン : 観察研究のシステマティックレビュー&メタ解析
・一次アウトカムは明確か? : 明確
・評価者バイアス : 「Two authors independently extracted」と記載されている
・出版バイアス : 「There was no suggestion of publication bias based on Egger’s test (P = 0.22), Begg’s test (P = 0.60) or the funnel plot」と記載されている
・元論文バイアス : 観察研究のメタ解析
・異質性バイアス : 「I2 values of 25%, 50% and 75% correspond to low, moderate and high degrees of heterogeneity」というように記載されている
 
[結果]
・低用量→相対リスク1.13(95%信頼区間1.06~1.21)  異質性:I2=0.0%、P=0.789
・中用量→相対リスク1.38(95%信頼区間1.18~1.62)  異質性:I2=31.9%、P=0.184
・高用量→相対リスク1.60(95%信頼区間1.24~2.08)  異質性:I2=65.8%、P=0.005
 
 
〇妊娠損失
③「Maternal caffeine intake during pregnancy and risk of pregnancy loss: a categorical and dose-response meta-analysis of prospective studies.」
PMID: 26329421
 
[PECO]
P : 妊娠中の女性130456人
E : カフェインの摂取が低用量(50~149mg/日)・中用量(150~349mg/日)・高用量(350mg/日~699mg/日)・超高用量(≧700mg/日)
C : 摂取なしか極めて少量
O : 妊娠損失
※抄録のみ
 
[チェック項目]
・研究デザイン : 前向き研究のメタ解析
・評価者バイアス : 「Two authors independently extracted」
 
[結果]
・低用量→相対リスク1.02(95%信頼区間0.85~1.24)I2=28.3%
・中用量→相対リスク1.16(95%週0.94~1.41)I2=49.6%
・高用量→相対リスク1.40(95%信頼区間1.16~1.68)I2=18.6%
・超高用量→相対リスク1.72(95%信頼区間1.40~2.13)I2=0.0%
 
カフェイン100mg/日(約コーヒー1杯/日)ごとに7%(95%信頼区間3%~12%)リスクが増加。
 
 
 
④「A meta-analysis of risk of pregnancy loss and caffeine and coffee consumption during pregnancy.」
PMID: 26026343
 
[PECO]
P : 妊娠中の女性
E : カフェイン・コーヒーの摂取あり(具体的な量については不明)
C : 摂取なし
O : 流産又は死産
※抄録のみ
 
[チェック項目]
・研究デザイン : 観察研究のメタ解析
 
[結果]
・カフェインの摂取あり→オッズ比1.32(95%信頼区間1.24~1.40)
・コーヒーの摂取あり→オッズ比1.11(95%信頼区間1.02~1.21)
 
カフェイン150mg/日ごとに19%リスクが増加。
 

感想

カフェインの少量摂取(ドリップコーヒー1杯程度)で低出生体重児のリスクが増加し、多量(ドリップコーヒー3杯程度)に摂ると妊娠損失のリスクが増加することが示唆されている。
 
少量と言ってもドリップコーヒーを毎日1杯飲み続けた場合であり、その場合も関連としてはそれほど強くはないかもしれないため過剰に怖がる必要はないけれど、やはり妊娠損失となると取り返しがつかないため出来るだけカフェインは避けた方が良いかなと思います。