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【薬局薬剤師の記録的巻物】

EBMの実践のため、論文を読み、記録していきます。

コーヒーを飲むことで長生きできる?②

では今回もコーヒーと死亡に関する論文を読んでいきたいと思います。

 
前回の記事はこちら。
 
①「Caffeinated beverage intake and the risk of heart disease mortality in the elderly: a prospective analysis.」
PMID: 17284734
 
[PECO]
P : 心血管疾患の既往のない32~86歳の6594人(米国)
E : コーヒーの摂取が≧0.5杯/日
C : コーヒーの摂取が<0.5杯/日
O : 心血管疾患死亡・心疾患死亡・脳血管死亡
 
[チェック項目]
・研究デザイン : コホート研究
・調整された交絡因子は? : 年齢・喫煙・性別・人種・収入・身体活動・教育・飲酒・BMI・食事
・対象の代表性は? : 一般診療のデータベースが使用されており、大きな問題はないと思われる
・追跡期間 : 8.8年
 
[結果]
〇65歳以上
①心血管死亡
・≧0.5杯/日~2杯/日<→相対リスク0.72(95%信頼区間0.52~0.99)
・≧2杯/日~4杯/日<→相対リスク0.69(95%信頼区間0.52~0.92)
・≧4杯→相対リスク0.53(95%信頼区間0.38~0.75)
②心疾患死亡
・≧0.5杯/日~2杯/日<→相対リスク0.77(95%信頼区間0.54~1.10)
≧2杯/日~4杯/日<→相対リスク0.68(95%信頼区間0.49~0.94)
・≧4杯/日→相対リスク0.47(95%信頼区間0.32~0.69)
③脳血管死亡
・≧0.5杯/日~2杯/日<→相対リスク0.50(95%信頼区間0.22~1.11)
・≧2杯/日~4杯/日<→相対リスク0.73(95%信頼区間0.38~1.41)
・≧4杯/日→相対リスク0.88(95%信頼区間0.42~1.83)
 
〇65歳未満
減少傾向は見られるものの、全て有意な差は見られていない。
 
65歳以上で心血管疾患死亡の低下との関連が示唆されているが、高齢者ほどリスクは高くなり、比較的リスクが低いと思われる65歳未満では相対的に効果が弱くなるのかもしれない。
また、心血管疾患のうち心疾患による死亡リスクの低下が主なものである事が示唆されている。
 
 
 
②「Coffee consumption and risk of cardiovascular events and all-cause mortality among women with type 2 diabetes.」
PMID: 192661
 
[PECO]
P : 30~55歳で心血管疾患又は癌の既往がない2型糖尿病の女性7071人(米国)
E : コーヒーの摂取が1杯/月以上
C : コーヒーの摂取が1杯/月未満
O : 冠動脈疾患・脳卒中・総死亡
 
[チェック項目]
・研究デザイン : コホート研究
・調整された交絡因子は? :  年齢・喫煙・BMI・身体活動・飲酒・ホルモン療法・親の心筋梗塞の既往・高血圧・高コレステロール血症・糖尿病の期間・血糖降下薬・総エネルギー摂取・マルチビタミンやVEサプリメントの摂取
・対象の代表性は? : 医療従事者を対象としており、一般よりも健康に対する意識が高い可能性がある
・観察期間 : 1980年から2004年まで
 
[結果]
①冠動脈疾患
・1杯/月~4杯/週→相対リスク0.94(95%信頼区間0.67–1.30)
5~7杯/週→相対リスク1.14(95%信頼区間0.86–1.50)
・2~3杯/日→相対リスク0.80(95%信頼区間0.57–1.12)
・≧4杯/日→相対リスク0.70(0.43–1.14)
 
②脳卒中
・1杯/月~4杯/週→相対リスク1.24(95%信頼区間0.80–1.93)
・5~7杯/週→相対リスク1.13(95%信頼区間0.76–1.70)
・2~3杯/日→相対リスク1.16(95%信頼区間0.73–1.85)
・≧4杯/日→相対リスク0.86(95%信頼区間0.40–1.84)
 
③総死亡
・1杯/月~4杯/週→相対リスク1.10(95%信頼区間0.86–1.40)
・5~7杯/週→相対リスク1.04(95%信頼区間0.84–1.30)
・2~3杯/日→相対リスク0.87(95%信頼区間(0.67–1.12)
・≧4杯→相対リスク0.80(95%信頼区間0.55–1.14)
 
2型糖尿病の女性では死亡リスク低下との関連が見られていない。比較的若年者が対象なのと追跡期間が不明な点は注意すべきかもしれない。
 
 
 
③「Coffee consumption and risk of cardiovascular diseases and all-cause mortality among men with type 2 diabetes.」
PMID: 19228865
 
[PECO]
P : 40~75歳で心血管疾患又は癌の既往がない2型糖尿病の男性3497人(米国)
E : コーヒーの摂取が1杯/月以上
C : コーヒーの摂取が1杯/月未満
O : 冠動脈疾患・脳卒中・総死亡
 
[チェック項目]
・研究デザイン : コホート研究
・調整された交絡因子は? : 年齢・喫煙・BMI・身体活動・飲酒・ホルモン療法・親の心筋梗塞の既往・高血圧・高コレステロール血症・糖尿病の期間・血糖降下薬・総エネルギー摂取・マルチビタミンやVEサプリメントの摂取
・対象の代表性は? : 医療従事者が対象となっており一般よりも健康に対する意識が高い可能性がある
・観察期間 : 1986年~2004年
 
[結果]
①冠動脈疾患
・1杯/ 月~4杯/週→相対リスク0.63(95%信頼区間0.41–0.97)
・5~7杯/週→相対リスク0.90(95%信頼区間0.62–1.31)
・2~3杯/日→相対リスク0.66(95%信頼区間0.42–1.02)
・≧4杯/日→相対リスク0.81(95%信頼区間0.41–1.62)
 
②脳卒中
・1杯/月~4杯/週→相対リスク1.15(95%信頼区間0.58–2.27)
・5~7杯/週→相対リスク0.97(95%信頼区間0.51–1.86)
・2~3杯/日→相対リスク0.63(95%信頼区間0.29–1.36)
・≧4杯/日→相対リスク0.97(95%信頼区間0.33–2.85)
 
③総死亡
・1杯/月~4杯/日→相対リスク0.69(95%信頼区間0.47–1.02)
・5~7杯/週→相対リスク0.89(95%信頼区間0.63–1.26)
・2~3杯/日→相対リスク0.71(95%信頼区間0.47–1.06)
・≧4杯/日→相対リスク0.80(95%信頼区間0.41–1.54)
 
2型糖尿病の男性でも関連が見られていない。
 
 
 
④「Association of coffee intake with total and cause-specific mortality in a Japanese population: the Japan Public Health Center-based Prospective Study.」
PMID: 25762807
※抄録のみ
 
[PECO]
P : 40~69歳で癌・脳血管疾患・虚血性心血管の既往がない日本人(90914人)
E : コーヒーの摂取あり
C : コーヒーの摂取なし
O : 総死亡
 
[チェック項目]
・研究デザイン : コホート研究
・追跡期間 : 平均18.7年
 
[結果] 
・<1杯/日→ハザード比0.91(95%信頼区間0.86~0.95)
・1~2杯/日→ハザード比0.85(95%信頼区間0.81~0.90)
・3~4杯/日→ハザード比0.76(95%信頼区間0.70~0.83)
・5杯/日以上→ハザード比0.85(95%信頼区間0.75-0.98)
 
日本人でも関連が見られる。
 

感想

米国のコホート研究が多かったですが、日本人でも毎日コーヒーを飲むことで長生きできる事が示唆されています。
ただ、高齢者では関連がみられるものの高齢者以外では関連がみられない、2型糖尿病患者でも関連が見られていない点に注意が必要かと思います。積極的に避ける必要はないものの砂糖を入れて飲む場合も多いでしょうし。
 
まあ、毎日コーヒーでも飲みながら休憩や気分転換でもするのが長生きのコツなのかもしれませんが「それが出来たら苦労しねーよ!」なんて言われそうですね。
 
 
 
では、今年一年間ありがとうございました!よいお年を!