【薬局薬剤師の記録的巻物】

EBMの実践のため、論文を読み、記録していきます。

糖尿病の治療薬はやっぱりメトホルミンですか?

「Reduced vascular events in type 2 diabetes by biguanide relative to sulfonylurea: study in a Japanese Hospital Database」

PMID: 26382923
 

PECO

P : 40~70歳の2型糖尿病患者(5368人、日本)

※心血管疾患既往なしのstudy1(4095人)と記載ありのstudy2(1273人)に分かれている。

E : ビグアナイド系薬・チアゾリジン系薬・α-GI・グリニド系薬・DPP-4阻害薬のいずれかを新規で開始

C : SU薬を新規で開始

O : 心血管イベントの発生

 

チェック項目

・研究デザイン : 後ろ向きコホート研究
・真のアウトカムか? : 真のアウトカム
・交絡因子の調整は? : 性別・年齢・HbA1c・降圧薬の使用・脂質異常症に対する薬の使用について調整されている
・対象の代表性は? : 一般的な医療費会計データベースが用いられており、大きな問題はないと思われる
・観察期間 : 104週
・平均年齢 : 60歳ちょっと
 

結果

[study1]
ビグアナイド系薬 vs SU薬→ハザード比0.603(95%信頼区間0.439~0.829)P=0.002
 
[study2]
ビグアナイド系薬 vs SU薬→ハザード比0.566(95%信頼区間0.376~0.852)P=0.006
 
チアゾリジン系薬・α-GI・グリニド系薬・DPP-4阻害薬ではstudy1・study2どちらでも有意な差は見られなかった。

感想

やはりこれまで同様メトホルミンが第一選択として使われることを支持する結果。

個人的な印象としては正直メトホルミン以外の血糖降下薬は今のところ良いとこなしな印象だが、こういった研究にSGLT-2阻害薬が今後加わってきた場合にどうなるのか期待。