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【薬局薬剤師の記録的巻物】

EBMの実践のため、論文を読み、記録していきます。

血圧は低めにコントロールした方が良いですか?②

前回からの引き続きになってしまいましたね。今回はRCTを。

 
「A Randomized Trial of Intensive versus Standard Blood-Pressure Control」
DOI: 10.1056/NEJMoa1511939
 

PECO

P : 収縮期血圧が130~180mmHgで心血管イベントリスクが高い(CKD・eGFR20~59ml/min/1.73m2・腎疾患により食事が制限されている・心血管疾患の10年リスクが15%以上・75歳以上のうち1つ以上に該当)、50歳以上の患者(米国、9361人)
※糖尿病を有する又は脳卒中の既往がある患者は除外
E : 収縮期血圧120mmHg未満を目標に降圧(4678人)
C : 収縮期血圧140mmHg未満を目標に降圧(4683人)
O : 心筋梗塞・急性冠症候群・脳卒中・心不全・心血管死亡の複合アウトカム
 

チェック項目

・研究デザイン : ランダム化比較試験
・真のアウトカムか? : 真のアウトカム
・一次アウトカムは明確か? : 明確
・ランダム化が行われているか? : 行われている
・盲検化が行われているか? : PROBEが行われている
・ITT解析が行われているか? : 行われている
・追跡率 : 97.4%
・追跡期間中央値 : 3.26年
・患者背景 : 気になるような偏りは見られない。平均年齢67.9歳。
・サンプルサイズ : 9250人(パワー88.7%)
 

結果

E群(1.65%/年) vs C群(2.19%/年)→ハザード比0.75(95%信頼区間0.64~0.89)P<0.001、NNT=186人/年
 
複合アウトカムの各要素は、
・心筋梗塞→ハザード比0.83(95%信頼区間0.64~1.09)P=0.19
・急性冠症候群→ハザード比1.00(95%信頼区間0.64~1.55)P=0.99
・脳卒中→ハザード比0.89(95%信頼区間0.63~1.25)P=0.50
・心不全→ハザード比0.62(95%信頼区間0.45~0.84)P=0.002
・心血管死亡→ハザード比0.57(95%信頼区間0.38~0.85)P=0.005
・総死亡→ハザード比0.73(95%信頼区間0.60~0.90)P=0.003
・一次アウトカム又は死亡→ハザード比0.78(95%信頼区間0.67~0.90)P<0.001
 
重篤な有害事象については、低血圧・気絶・電解質異常・急性腎障害又は急性腎不全について増加が見られている。
 

感想

血圧を厳格に管理した方が良いという結果になっておりますが、前回のメタ解析とは違い一次アウトカムではありませんが死亡についても有意に減少させています。
心筋梗塞や脳卒中では有意な差が見られず、心不全について有意に減少させている辺りになんだか既視感がありますね。
 
ただし、心血管イベントリスクがかなり高い患者が対象になっている点に注意が必要だと思います。少なくともリスクが高くないと思われる患者に安易に厳格な降圧治療を行うべきではないと思います。BMIが平均で30近いところも気になる点です。