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【薬局薬剤師の記録的巻物】

EBMの実践のため、論文を読み、記録していきます。

血圧は低めにコントロールした方が良いですか?

高血圧・降圧薬

「Effects of intensive blood pressure lowering on cardiovascular and renal outcomes: updated systematic review and meta-analysis」

 

PECO

P : 19RCTに参加した降圧治療が必要な44989人
E : 厳格な降圧治療(133/76mmHg)
C : 厳格ではない降圧治療(140/81mmHg)
O : 心血管イベント(心筋梗塞・脳卒中・心不全・心血管死の複合アウトカム及びそれぞれ単独でも評価)・総死亡・末期腎不全・有害事象
 

チェック項目

・研究デザイン : システマティックレビュー&メタ解析
・真のアウトカムか? : 真のアウトカム
・一次アウトカムは明確か? : 複数設定されており、明確ではない
・評価者バイアス : 「The updated literature search, data extraction, and quality assessment were done independently by two authors」の記載あり
・出版バイアス : 英語で書かれた論文以外も探されている。
・元論文バイアス : 全てRCTだが、各論文の解析方法等細かい部分の記載はない。盲検化されていないRCTも複数含まれている。
・異質性バイアス : 異質性検定が行われている
・平均追跡期間 : 3.8年
 

結果

ベースライン時からの血圧の変化は平均でE群-6.8mmHg、C群で-3.5mmHg

心血管イベント→相対リスク0.86(95%信頼区間0.78~096)P=0.005  異質性:I2=22.4%, p=0.21

・心筋梗塞→相対リスク0.87(95%信頼区間0.76~1.00)P=0.042  異質性:I2=0.0%, p=0.99

・脳卒中→相対リスク0.78(95%信頼区間0.68~0.90)P=0.001  異質性:I2=12.7%, p=0.32

・心不全→相対リスク0.85(95%信頼区間0.66~1.11)P=0.24  異質性:I2=27.5%,p=0.19

・心血管死→相対リスク0.91(95%信頼区間0.74~1.11)P=0.359  異質性:I2=20.7%,p=0.23

・総死亡→相対リスク0.91(95%信頼区間0.81~1.03)P=0.135  異質性:I2=18%,p=0.23

・末期腎不全→相対リスク0.90(95%信頼区間0.77~1.06)P=0.22  異質性:I2=0%,p=0.46

[有害事象]

・重症の低血圧→相対リスク2.68(95%信頼区間1.21~5.89)P=0.015

 

感想

より厳格な降圧治療を行うことで心血管イベント等のリスクが低くなる事が示唆されているが死亡については有意な差が見られていない。

 

ちょっと検討されている一次アウトカムが多過ぎな感じがしますね。自分が読んだ限りでは出版バイアス・元論文バイアスについても疑問が残り、この結果を以てより厳格に降圧した方が良いということは言えないと感じました。