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【薬局薬剤師の記録的巻物】

EBMの実践のため、論文を読み、記録していきます。

抗精神病薬を服用することで死亡するリスクはどれくらいありますか?

「Association of Selected Antipsychotic Agents With Major Adverse Cardiovascular Events and Noncardiovascular Mortality in Elderly Persons.」

 

PECO

P : 認知症・統合失調症・パーキンソン病と診断された70歳以上の患者(デンマーク、91774人)
E : フルペンチキソール・レボメプロマジン・クロルプロチキセン・クエチアピン・ハロペリドール・オランザピン・ジプラシドン
C : リスペリドン
O : MACE(非致死性急性心筋梗塞・非致死性脳梗塞・心血管死)・非心血管関連死
 

チェック項目

・研究デザイン : コホート研究
・真のアウトカムか? : 真のアウトカム
・調整されている交絡因子は? : 併存疾患・年齢・ワルファリン・アスピリン・クロピドグレル・ループ系利尿薬・チアジド・レニン-アンジオテンシン系阻害薬・アルドステロン拮抗薬・スタチン・β遮断薬・CCB・ジゴキシン・暦年・性別
・対象の代表性は? : デンマーク国内の公的な登録簿が使用されており、大きな問題はないと思われる
・平均年齢 : 82歳
 

結果

①MACE
[初めて処方されてから30日以内]
・フルペンチキソール→罹患率比0.54(95%信頼区間0.45~0.66)P<0.0001
・クロルプロチキセン→罹患率比0.76(95%信頼区間0.61~0.95)P=0.02
・レボメプロマジン→罹患率比3.80(95%信頼区間3.43~4.21)P=
・ハロペリドール→罹患率比1.85(95%信頼区間1.67~2.05)P<0.0001
・ジプラジドン→罹患率比0.31(95%信頼区間0.10~0.97)P=0.04
・クエチアピン→罹患率比0.68(95%信頼区間0.58~0.80)P<0.0001
・オランザピン→罹患率比0.83(95%信頼区間0.72~0.95)P=0.006
・併用→罹患率比1.30(95%信頼区間1.18~1.45)P<0.0001
 
[初めて処方されてから31~365日]
・フルペンチキソール→罹患率比0.65(95%信頼区間0.39~0.49)P<0.0001
・クロルプロチキセン→罹患率比0.67(95%信頼区間0.57~0.79)P<0.001
・レボメプロマジン→罹患率比0.91(95%信頼区間0.82~1.01)P=0.97
・ハロペリドール→罹患率比1.50(95%信頼区間1.40~1.60)P<0.0001
・ジプラジドン→罹患率比1.08(95%信頼区間0.36~3.36)P=0.89
・クエチアピン→罹患率比0.83(95%信頼区間0.77~0.90)P<0.0001
・オランザピン→罹患率比0.84(95%信頼区間0.78~0.90)P=0.006
・併用→罹患率比1.40(95%信頼区間1.20~1.64)P<0.0001
 
[初めて処方されてから365日以上]
・フルペンチキソール→罹患率比0.67(95%信頼区間0.60~0.73)P<0.0001
・クロルプロチキセン→罹患率比0.77(95%信頼区間0.59~0.75)P=0.02
・レボメプロマジン→罹患率比0.74(95%信頼区間0.67~0.81)P<0.0001
・ハロペリドール→罹患率比1.08(95%信頼区間0.99~1.18)P=0.09
・ジプラジドン→罹患率比0.92(95%信頼区間0.64~1.31)P=0.63
・クエチアピン→罹患率比0.84(95%信頼区間0.79~0.91)P<0.0001
・オランザピン→罹患率比0.86(95%信頼区間0.81~0.91)P<0.0001
・併用→罹患率比0.88(95%信頼区間0.73~1.05)P=0.15
 
 
②非心血管関連死
[初めて処方されてから30日以内]
・フルペンチキソール→罹患率比0.44(95%信頼区間0.35~0.55)P<0.0001
・クロルプロチキセン→罹患率比0.83(95%信頼区間0.67~1.02)P=0.08
・レボメプロマジン→罹患率比11.06(95%信頼区間9.99~12.26)P<0.0001
・ハロペリドール→罹患率比4.17(95%信頼区間3.79~4.58)P<0.0001
・ジプラジドン→罹患率比1.10(95%信頼区間0.62~1.95)P=0.75
・クエチアピン→罹患率比0.76(95%信頼区間0.65~0.88)P<0.0001
・オランザピン→罹患率比1.10(95%信頼区間0.96~1.25)P=0.17
・併用→罹患率比2.29(95%信頼区間2.04~2.57)P<0.0001
 
[初めて処方されてから31~365日]
・フルペンチキソール→罹患率比0.53(95%信頼区間0.47~0.60)P<0.0001
・クロルプロチキセン→罹患率比0.50(95%信頼区間0.41~0.60)P<0.0001
・レボメプロマジン→罹患率比1.40(95%信頼区間1.27~1.53)P<0.0001
・ハロペリドール→罹患率比2.46(95%信頼区間2.31~2.62)P<0.0001
・ジプラジドン→罹患率比0.55(95%信頼区間0.18~0.70)P=0.30
・クエチアピン→罹患率比0.89(95%信頼区間0.82~0.96)P=0.004
・オランザピン→罹患率比0.93(95%信頼区間0.87~1.01)P=0.08
・併用→罹患率比1.86(95%信頼区間1.62~2.13)P<0.0001
 
[初めて処方されてから365日以上]
・フルペンチキソール→罹患率比0.44(95%信頼区間0.39~0.49)P<0.0001
・クロルプロチキセン→罹患率比0.45(95%信頼区間0.39~0.51)P<0.0001
・レボメプロマジン→罹患率比0.66(95%信頼区間0.60~0.73)P<0.0001
・ハロペリドール→罹患率比1.21(95%信頼区間1.11~1.33)P<0.0001
・ジプラジドン→罹患率比1.09(95%信頼区間0.83~1.46)P=0.53
・クエチアピン→罹患率比1.04(95%信頼区間0.98~1.11)P=0.18
・オランザピン→罹患率比0.90(95%信頼区間0.84~0.95)P<0.006
・併用→罹患率比1.03(95%信頼区間0.89~1.20)P=0.66
 

感想

全体的に開始30日以内で最もリスクが高く、期間が長くなるほどリスクが減少していく傾向。
心血管疾患リスクの高い認知症患者等に新規で処方されている場合は注意が必要ですね。