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【薬局薬剤師の記録的巻物】

EBMの実践のため、論文を読み、記録していきます。

カルシウムを摂取することで骨折の予防ができますか?

サプリメント 生活習慣 骨粗しょう症

「Calcium intake and risk of fracture: systematic review」

BMJ 2015;351:h4580
 

PECO

P : 50歳以上の患者
E : 食事・牛乳・サプリメントによるカルシウムの摂取が多い
C : カルシウムの摂取が少ない
O : 骨折
 

チェック項目

・研究デザイン : システマティックレビュー
・真のアウトカムか? : 真のアウトカム
・一次アウトカムは明確か? : 明確
・評価者バイアス : 「studies reviewed by two authors independently 」の記載あり。
・出版バイアス : Funnel plotを用いて検討されているが、「Funnel plots were also asymmetric with more small-moderate sized studies than expected reporting risk reductions in total, vertebral, and forearm fracture with calcium supplements, raising the possibility of publication bias.」と記載されている。
・元論文バイアス : 観察研究も含まれている。RCTに関してはRisk of biasがlowは4試験、moderate~highが16試験。 
・異質性バイアス : 異質性検定が行われている。
 

結果

〇食事からのカルシウムの摂取
①RCT(粉ミルクからの摂取が2試験)→相対リスク0.33(95%信頼区間0.04~3.2)P=0.34
 
②コホート研究→関連は見られなかった
 
〇カルシウムサプリメントによる摂取
①RCT(≧1000mg/日の摂取)→相対リスク0.89(95%信頼区間0.81~0.96)P=0.004  異質性:P=0.17、I2=27%
 
また、部位別では
・大腿骨骨折→相対リスク0.95(95%信頼区間0.76~1.18)
・脊椎骨折→相対リスク0.86(95%信頼区間0.74~1.00)
・前腕部骨折→相対リスク0.96(95%信頼区間0.85~1.09)
 
②コホート研究→関連は見られなかった
 

感想

RCTのみの解析においてカルシウムサプリメントの摂取によって骨折リスクの有意な低下が示されているものの、出版バイアスの可能性が高く、バイアスリスクの高いRCTのみの解析では有意な低下がみられるものの、リスクの低いRCTのみの解析では有意な差が見られていないということで、少なくとも積極的にカルシウムサプリメントの摂取をオススメするべきという結果ではないように思います。
 
RCT・観察研究ともに高齢者を対象にしたものが多いので若年者についてはこのシステマティックレビューではわかりませんが、食事からのカルシウムの摂取もやはり骨折に対する効果は示されていないようです。