【薬局薬剤師の記録的巻物】

EBMの実践のため、論文を読み、記録していきます。

小児にインフルエンザワクチンは効果がある?

「Vaccine for prevention of mild and moderate-to-severe influenza in children.」
PMID: 24328444

PECO

P : 3~8歳の子供(バングラデッシュ・ドミニカ・ホンジュラス・レバノン・パナマ・フィリピン・タイ・トルコの15施設、5168人)
E : 4価のインフルエンザワクチンを摂取(2584人)
C : A型肝炎ワクチンを摂取(2584人)
O : PCRでA型又はB型インフルエンザ陽性

チェック項目

・研究デザイン : ランダム化比較試験
・真のアウトカムか? : 代用のアウトカムだと考えるが、客観的にインフルエンザを判定する上で重要なものであるため読むのを続ける。
・一次アウトカムは明確か? : 明確
・ランダム化が行われているか? : 行われている
・盲検化が行われているか? : PROBE法が行われている
・ITT解析が行われているか? : per-protocol解析が行われている
・追跡率 : 92%
・追跡期間 : 6ヶ月以上
・患者背景 : 気になるような偏りは見られない。平均年齢5.4歳。
・サンプルサイズ : 5200人

結果

・per-protocol解析
E群(2.44%) vs C群(5.34%)→4価インフルエンザワクチン有効率55.4%(95%信頼区間39.1~67.3)

・全例解析
E群(2.40%) vs C群(5.73%)→4価インフルエンザワクチン有効率59.3%(95%信頼区間45.2~69.7)

感想

インフルエンザワクチンについて最近話題になっていましたが、少なくとも3~8歳についてはRCTで効果が実証されており、この数字を基に効果は期待できそうです。