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【薬局薬剤師の記録的巻物】

EBMの実践のため、論文を読み、記録していきます。

市中肺炎に全身性ステロイドは有効?

以前質問を頂いていた、肺炎患者に対する全身性ステロイドの投与についてメタ解析が出ていたようなので今回はそちらの論文を読んでみたいと思います。

以前の記事はこちら

 

 

「Corticosteroid Therapy for Patients Hospitalized With Community-Acquired Pneumonia: A Systematic Review and Meta-analysis.」
PMID: 26258555
 

PECO

P : 12RCTに参加した市中肺炎で入院した患者1974人
E : 全身性ステロイドの投与あり
C : 全身性ステロイドの投与なし
O : 総死亡・人工呼吸器の導入・ICU入室・急性呼吸窮迫症候群・入院期間・臨床的に安定するまでの時間・有害事象
 

チェック項目

・研究デザイン : メタ解析
 
・真のアウトカムか? : 代用のアウトカム含まれている
 
・一次アウトカムは明確か? : 複数設定されており明確ではない
 
・評価者バイアス : 「Two reviewers independently extracted study data and assessed risk of bias.」と記載されている。
 
・出版バイアス : funnel plotを用いて検討されているが、「We were not able to detect publication bias for any analysis; however, only 1 outcome (all-cause mortality) was addressed in 10 or more studies and was thus evaluable using funnel plots」と記載されている。
 
・元論文バイアス : 「Five of 13 trials enrolling 70.4% of the total sample had low risk of bias. Loss to follow-up was rare: 10 trials had complete follow-up, and only 1 had attrition greater than 5%. Worst plausible assumptions about the outcomes of patients lost to follow-up did not materially change the results.」と記載されている。
 
・異質性バイアス : 異質性検定が行われている
 

結果

・総死亡→リスク比0.67(95%信頼区間0.45~1.01) 異質性:I2=6%、P=0.01
・人工呼吸器の導入→リスク比0.45(95%信頼区間0.26~0.79) 異質性:I2=0%、P=0.011
・ICU入室→リスク比0.69(95%信頼区間0.46~1.03) 異質性:I2=0
・急性呼吸窮迫症候群→リスク比0.24(95%信頼区間0.10~0.56) 異質性:I2=0%
・入院期間→平均差-1.00日(95%信頼区間-1.79~-0.21) 異質性:I2=0%
・臨床的に安定するまでの時間→平均差-1.22日(95%信頼区間-2.08~-0.35) 異質性:I2=38%
・有害事象(治療が必要な高血糖)→リスク比1.49(95%信頼区1.01~2.19) 異質性:I2=6%
 

感想

これまでに読んだ論文と同じように退院までの期間やバイタルが安定するまでの期間はだいたい1日くらい短くなる可能性があり、総死亡に関しては有意な差はないもののリスクは減少する傾向がみられている。
やはり治療が必要な高血糖についてもリスクの有意な上昇が見られる。
 
ただ、ある程度割り引いて考える必要があるように感じます。